山田宏のニュースリリース
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八重山日報 7/9・7/11 掲載 『しっかりと「主張」する大切さ』
2017.07.13
 
沖縄・八重山日報にコラムを掲載しております。
八重山日報さんのご了承を得て、転載いたします。
 
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『しっかりと「主張」する大切さ』
 
 6月19日、韓国の文在寅政権が、2015年12月28日に結ばれた慰安婦問題についての日韓合意について、大統領府で合意の過程を検証する方針を固めたと報じられました。
文政権が合意過程を「検証」するのは、先方の内政問題でもありますから、「どうぞご自由に」というほかありませんが、もし検証の結果、合意を見直すなどということになったら、それは到底許されることではありません。
なにしろ、この慰安婦問題についての日韓合意は、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」したのですから。
 
 私は先日、2017年6月1日の外交防衛委員会で、外務省にこのことを質し、「日韓の合意の時点でこの問題(慰安婦問題)は解決されたということで、韓国側がその義務を果たすということが前提になっている」という答弁を引き出しました。
この問題は、すでに、もう決着済み。
「最終的、不可逆的に解決された」のです。
 なぜ、このことを強調しなければいけないのか。
先々月、国連の人権条約に基づく委員会だとされる「拷問禁止委員会」が韓国政府に「日韓合意見直し」勧告を出しましたが、その委員会に韓国側から提出された英文資料に、「this issue will be finally and irreversibly resolved」と書かれているからです。
まさに「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」という部分を英訳しているのですが、ここに「will be」という言葉が挟み込まれているのです。「will be」は未来形ですから、つまり、韓国側は「(現時点では)解決されていない」と主張しているのです。
 しかも韓国側はこの英文資料に、日本が法的責任を認め、安倍総理が公式に謝罪し、元慰安婦に補償することを誠実に履行してはじめて、「最終的かつ不可逆的に解決される(未来形)」のだと書いています。
俗に、このような態度は「ゴールポストを動かす」と表現されます。
合意をしておきながら、勝手にその条件を変えて、「まだ解決していない。責任を認めよ。もっと補償せよ」と言い募ってくる行為です。
 そんなことが成り立つなら、すべての外交交渉がまったく意味のないことになってしまいます。
日本は毅然として「すでに最終的、不可逆的に解決済み」だと主張しなくてはなりません。
また、国際社会にも、きちんと日本の正当性を訴えなければなりません。
もっとも、日本の外務省も現在、かなり積極的に様々な手を打っています。
 
 2015年10月に、「南京大虐殺」が世界記憶遺産に登録されたことを覚えておられる方も多いでしょう。
「南京大虐殺」はそもそも、本当にあったのかどうかということも含め、まったく事実確定ができていない話ですが、それがスルスルと登録されてしまったのです。
 これを受けて日本の外務省は国連に働きかけて、新たなルールをまとめあげました。
(1)申請資料を公開して、反論や意見を受け付ける、
(2)登録申請に疑義が出されたものは、まず関係国で対話をして、共同申請するか、複数意見を明記して申請するか、合意できない場合は対話を継続するか、のいずれかを選ぶ、
(3)登録済みのものも、その保存状況やアクセス状況が劣悪なものは、登録を外すこともありうることにする、
という方針です。
 
 これらのルールは、この秋に採択される予定です。記憶遺産には「慰安婦」も登録申請されていますが、新しい方針が通れば、対抗する道ができます。
 また、米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像を撤去すべきだと地元の日本人たちが訴え、米連邦最高裁での上告審を求めていたことに対して、2017年2月に日本政府が意見書を提出したことも、画期的なことでした。
この意見書で日本政府は、慰安婦像脇の碑文にある「20万人の女性が強制連行され、性奴隷となることを強制した」という記述は「事実と異なる」と、明言しています。
これまで慰安婦問題についての日本政府の公式の文書は「河野談話」以外にはないようなものでしたが、その河野談話の毒消しとなる文書が、英文で提出されたのです。
今後、これが日本政府の公式見解になっていくでしょう。
裁判自体は棄却になってしまいましたが、しかし、日本政府の意見書が明確に出たことは非常に大きな成果でした。
 とにかく日本は、相手の言ってくることをしっかりと観察し、しっかりと自らの立場を主張していかなくてはなりません。
そうでなければ、いわれなき批判をはね返すことはできないのです。
yaeyama 0709 yaeyama 0711

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