小野寺防衛大臣は4月25日の記者会見で、護衛艦「たちかぜ」自衛官暴行恐喝・自殺事件をめぐり、海上自衛隊が「破棄した」として存在を否定していた実態調査アンケートの存在を内部告発した自衛官に対し、内部資料持ち出しの規律違反で懲戒処分の対象になっていた問題について、内部告発は公益通報にあたるとして処分に否定的な見解を示しました。
このニュースはNHKはじめ民放各社、新聞各紙が取り上げ、広く報道されましたが、さかのぼること今年の2月3日の衆議院予算委員会において、この事件に取り組んできた山田宏が質問に立ち、松下政経塾の後輩でもある小野寺防衛大臣に対し、内部告発した自衛官は公益通報者であるとして処分しないことを強く求め、「公益通報者に対して不利益な取り扱いはしない」、「さまざまな角度から調査を実施し、そのときに判明した事実に基づき適切に対処する」旨の答弁を引き出していました。今回さらに踏み込んだ防衛相の発言となり、山田宏の2月の質問が実を結ぶ結果となりました。
■護衛艦「たちかぜ」自衛官暴行恐喝・自殺事件とは
30代の海上自衛官が複数の後輩隊員に対して、物品の強制購入やパンチパーマの強要、従わない場合はエアガンやガス銃を撃ち込むなどの暴行、恐喝を行い、被害者の1人である20代の自衛官が平成16年10月に30代自衛官を名指しで批判した遺書を残し、都内の駅で電車に飛び込み自殺した事件。