8日まで東京都現代美術館で開かれている、「庵野秀明館長『特撮博物館』ミニチュアで見る昭和平成の技」という企画展を見た。「すごいから一度見て」という知人の話で、仕事の合間に立ち寄った。
はっきり言って感動した。
特撮と言えば、私の子供の頃からゴジラやモスラ、そしてウルトラマンなどのヒーローたちの映画やテレビだ。その時代からの着ぐるみや大道具小道具の手作りの精巧さも素晴らしかったが、何よりも庵野監督がこの企画展のために製作した「巨神兵東京に現わる」という10分余りの特撮作品を観てから、その作品がどのように作られたかという特撮現場のビデオと使われたミニチュアの展示には、すっかり引き込まれてしまった。
一言で言って「ここまでやるか!!!」という、徹底して手作りで(コンピューターを使わないで)リアルな映像を作り出していく姿勢に感動した。
まず精巧なミニチュアとその撮影方法の工夫の数々。作品の中での街のシーンや、アパートの部屋から見た外の様子のシーンなど、私は本物の映像と思い込んでいたものが、すべて作り物だったのだ。
次にビルが壊れるシーンや、街の看板が高熱で溶けるシーンの撮影では、本当に細かい工夫と細工が人の手によってなされ、リアルな映像に近づけていく姿に感銘を受けた。
その他、「巨神兵」が3人の黒子(実際は青子だったけど)によって人形浄瑠璃のように動かされ、リアルなキノコ雲を作り上げていく様子も印象深かった。
いまの映像はCGばやりだが、特撮には、CGにない手作り感からくる暖かさと立体感があることがわかった。このような素晴らしい企画展を、ニューヨークやパリでもやってほしい。
そして特撮という、日本ならではの職人芸とも言うべき立派な文化を、必ず残して引き継いでいかなければならないと思った。
奥の方はお客さんです