沖縄・八重山日報にコラムを掲載しております。
八重山日報さんのご了承を得て、転載いたします
*正しい沖縄を伝える新聞社『八重山日報』が、4月1日
から新たに「沖縄本島版」を製作、朝刊開始されるそうです。
沖縄本島での取材を強化するとのこと、偏向報道体質の新聞社
が存在する沖縄本島で、正しい報道姿勢を貫く『八重山日報』を
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北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏と見られる人物が、2月13日にマレーシアのクアラルンプール空港で暗殺されたというニュースが世界に大きな衝撃を与えました。
詳細は本稿執筆時点ではまだ詳らかにはなっていませんが、しかし、北朝鮮国籍の男1人が逮捕され、さらに4人が手配されている状況などから、北朝鮮が手を下した可能性が高いといわれます。
北朝鮮は、新型中長距離弾道ミサイル「北極星2型」の発射実験を2月12日に成功させたとも発表し、映像も公開しました。
本当に、何をするかわからない国という恐怖感がますます広がっています。
こういう時こそ、日本、韓国、米国の同盟関係の強化が重要なはずですが、韓国がダッチロールに陥っています。
韓国は日本と慰安婦問題についても2015年12月に「最終的かつ不可逆的に解決」されると合意したはずですが、釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像も撤去できないなど、結果的に易々と合意が反古にされました。
さらに、強制徴用労働者像を建てたり、あまりに酷い作り話をあたかも史実であるかのように並べ立てた「軍艦島」の映画をつくるなど、やりたい放題。
韓国の政治は不可思議な世論や国民感情に左右されて、もはや予測不可能。
約束を繰り返しても、すぐに紙切れになってしまうような国と、どうつきあえばいいのか、誰もが頭を抱えています。
朴槿恵大統領の弾劾裁判も行なわれていますが、もし弾劾が可決されて大統領選挙ということになれば、韓国に親北朝鮮、親中、反米、反日政権ができる可能性が高いともいわれています。
そうなったら、韓国は済州島に中国の軍艦の寄港を認めるのではないか……。そんなことも、ささやかれています。
とかく国際情勢の変転きわまりない現在、あながち絵空事と笑っていられません。
万が一、そんな事態になったら、日本にとっては刃をのど元に突き刺されたも同然です。
こういう時には、歴史に学ぶことが大切です。
ここで思い起こすべきは福沢諭吉でしょう。
福沢は、朝鮮が近代国家となり日本と共に発展していくことを願い、私財も人材も投じて、金玉均など朝鮮の改革派を支援しました。
しかし朝鮮改革派は政争に敗れて弾圧され、金玉均も暗殺されて死体が晒されるなど残虐な結末を迎えます。
あまりに酷薄な状況に直面した福沢は、絶望と怒りのあまり次のような文章を書いています。
「今の事大党政府の当局者がよく人を殺して残忍無情なるの一事においては、実に驚かざるを得ず。(中略)三歳、五歳の小児等は父母の手を離るるさえ泣き叫ぶの常なるに、荒々しき獄卒の手にかかり、雪霜吹きさらしの城門外に引きずられて、細き首に縄をかけらるる、その時の情はいかなるべきや。ただ恐ろしき鬼に掴まれたる心地するのみにして、その索(大縄)の窄(し)まりて呼吸の絶ゆるまでは殺さるるものとも思わず、ただ父母を慕い、兄弟を求め、父よ母よと呼び叫び、声を限りに泣き入りて、絞索ようやく窄まり、泣く声ようやく微(かすか)にして、終(つい)に絶命したることならん。人間娑婆世界の地獄は朝鮮の京城に出現したり。我輩はこの国を目して野蛮と評せんよりも、むしろ妖魔悪鬼の地獄国といわんと欲する者なり」(「朝鮮独立党の処刑」時事新報、明治18年2月26日)
現代の日本人も、かつての福沢に負けず劣らず、韓国に大いに期待しています。
ことに厳しさを増す北朝鮮情勢に、韓国と手を携えて対処することを強く願っています。
だからこそ安倍総理も、ある意味で「我慢に我慢を重ねて」日韓合意を決断されたのでしょう。
ところが、そのような希望を、親北・反日勢力は簡単に叩きつぶしていきます。
韓国の混乱、金正男氏の暗殺などあまりに酷い状況に、朝鮮半島を「妖魔悪鬼の地獄国」と批判したくなる日本人も多いかもしれません。
しかし、そうして日本人が怒りを「爆発」させてしまったら、韓国内の親北・反日勢力の思うつぼになります。
本当に難しい局面に、われわれは追い込まれています。
こういう時こそ、日本は国際社会に、正しい歴史と自らの正当性を、事実に基づいて静かに、辛抱強く、発信していかなくてはいけません。
国際世論を味方につける努力を、これまでの百倍、千倍していくべきでしょう。
それと同時に、韓国内のどのような勢力と手を結ぶべきか、同盟国である米国とも手を携えていかなる手を打っていくか、長期的な戦略をしっかり描いていかねばなりません。
そして、わが国の防衛力もしっかり増強していく。
世界情勢があまりに急速に転回している今、われわれに残された時間は短いと覚悟しておくべきでしょう。
怒りに流されず、絶望にも陥らず、やるべきことをやる。
そのことが今ほど求められるときはありません。