衆議院予算委員会 エネルギー・原発等についての集中審議 山田宏の質疑応答全文
○山本委員長
この際、山田宏君から関連質疑の申し出があります。藤井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山田宏君。
○山田(宏)委員
日本維新の会の山田宏でございます。
中田宏委員の後に山田宏でございます。
まず、ちょっと質問通告をさせていただいておりませんけれども、もしお答えができれば、今のタイムリーな課題でございますので、国民も心配していると思いますので、北朝鮮の今の状況、そして、日本としての今後の対応、また、来週G8が予定されておりますけれども、ぜひ効果的な行動をとっていただきたいとお願い申し上げますけれども、この点について、総理、お願いできますか。
○安倍内閣総理大臣
現状の北朝鮮の挑発は、これは相当、我々から見るにレベルの高い挑発でありまして、許しがたい挑発と言ってもいいんだろう、このように思います。
その中において、北朝鮮の例えばミサイル発射というものに対しては、我々は万全を期していきたい。そういう態勢において、政府でしっかりと対応するように、情報収集をし万全を期すようにという総理としての指示は既に出しております。
○山田(宏)委員
それでは、きょうはエネルギー・原発の問題でございますので、まず、四月二日、電力システムに関する改革方針というのを閣議決定されました。いわば、電力の自由化に向けて、特に、送発電を分離するということで、電力会社の発電部門、送配電部門というものを分けていこう、そして、そこに新たな会社の参入も認めていこう、こういうことでございます。我々日本維新の会としては、この決定を歓迎いたしております。
また、何よりも、今回は、二〇一八年から二〇年の間に実行する、実現するという、きちっと期限を定めて、お尻を決めて決定されたということはとてもよかったと思います。責任が明確になります。
この送発電分離は、消費者にとっては大きなメリットです。それはやはり、電力会社、発電会社を選ぶという形で競争が行われますので、電力料金は恐らく競争の中で適正なところに下がっていく、またサービスも向上する。そういったことを考えますと非常にいいと思っているんですけれども、この点について、メリット、デメリットを簡単に、まず国民の皆さんに御説明いただけますでしょうか。
○茂木国務大臣
この電力システムの改革、今新たなエネルギー制約に直面する日本にとっては本当に避けては通れない改革だ、こんなふうに思っております。
今、山田委員指摘のように、これから我が国として多様な電源を求めていかなきゃならない。そのためには、発電部門にも多くの参入がある、こういったことが重要になってまいります。
そして、発電部門、小売部門自由化、そしてまた、送配電部門が中立化をするということによりまして、競争が起こりまして、料金の低下ということが起こってまいります。さらには、消費者、電力を使う側からしますと、どういう電源を、またどういう料金メニューを選ぶかということによって、全体の電力料金、この支払う料金も下がりますし、またそれが省エネにつながっていく、こういうメリットがあると思っております。
デメリットの方も言いましょうか。デメリットは、一般的に言われますのは、発電部門とそれから送配電部門は、今まで、結局、独占体制で一体的に運用してきた。これが分離をされるということで、安定供給は大丈夫なのか、こういう懸念を持たれる方もいるわけでありますが、今回閣議決定いたしました電力システムに関する改革方針、ここにも明記してありますように、送配電事業者に電気の需給調整を行う義務を課すということで、電気が安定的に供給される仕組みとしておりますし、また、災害時には発電事業者と送配電事業者が協力するルール、こういうのも定めることにしております。
○山田(宏)委員
いわば、電力会社を二つの会社にこの図のように分けて、そして、一つの有力な案は、それを束ねるホールディングカンパニーをつくるというのが法的分離というものだと思います。
きょう東電の社長がおいででございますので、東電の社長の御意見もお聞きしておきましょうか。
○廣瀬参考人
東京電力の廣瀬でございます。
お答え申し上げます。
電力システムの改革によって、やはり一番大事なことは、引き続き安定的な電気をできれば安いお値段でしっかりお届けするというところは、しっかり担保していかなきゃいけないと思っております。その上で、あるいはそれを促すために、自由化、競争を促進するなり、それからカンパニーを分けるなりということが手段としてあるんだと思っております。
そうした観点から、私ども、まさにこの四月の一日から、まだ法律ができておりませんので、ある意味擬似的といいますか、試験的なものでございますけれども、社内にカンパニーを設けまして、まさに、発電をする、私どもは今原子力がとまっておりますので、火力が中心ですので、火力、燃料をつかさどるフュエルアンドパワーカンパニー、それからネットワークを受け持つパワーグリッドカンパニー、そして小売部門を受け持つカスタマーサービスカンパニー、それを上で束ねる、ホールディングのような形ですが、コーポレートという四つに分けて、まさにスタートしたところでございます。
これからいろいろなメリット、デメリットは当然ございますし、実際にやってみていろいろな難しい点も出てくる可能性もございますので、そうしたものをいろいろ検証して、できればまたそうした結果をお国なり、あるいは他の電力会社さんにお示しできれば大変いいことだなというふうに思っております。
○山田(宏)委員
そういう流れに対して、電力会社も今協力をして、シミュレーションもされているということですので、消費者また事業者にメリットがあるように、ぜひお願いしたいと思っております。
この点に関して、ちょっと一点だけお願いがあります。
今、新しい発電事業者も入ってこられるということになるんですけれども、太陽光発電などの事業者も、買い取り制度などで、現在、どんどんできています。
これは、ある市長、ウナギで有名な市の市長から聞いたんですけれども、ウナギの養殖の池のところがもうどんどんあいてきて、ここに太陽光発電の事業者が入ってきて、消費地も近いので、そこで太陽光発電をして、そしてそれを売っていこう、こういうことを考えても、実際、太陽光パネルは並べられるんだけれども、そこから送電線に行かせるためには、太陽光の電圧そのものが不安定だし、また、送電線の電圧も高いんですね。市街地といってもやはり六千ボルトぐらいある。だから、変圧器を置かないと送れないわけです、送電線に。
だから、この変圧器をどうかしなきゃいけないというので、電力会社にやってくださいよと言っても、それは、電力会社は自分のところの競争相手になるようなところに変圧器なんかは出しません。そうすると自治体がということになってくると、実際、これをやろうとしても、現在のところは、この変圧器の設置に対して何らかの助成が要るんじゃないか、こういうふうに私は考えているんですけれども、この点、どうでしょう。
○茂木国務大臣
委員御指摘のように、太陽光発電の電気を送電するとなりますと、当然、送電線側の電圧に合わせるための変圧器、これが必要になってまいります。
そこで、昨年七月に開始をいたしました固定価格買い取り制度では、変圧器のコストの回収を可能とするため、変圧器の費用も含めた電力会社の送電線に接続するために必要となる準備的な費用を、再生可能エネルギーの発電に通常要するコストということで、これをカバーする価格を設定いたしております。
それに加えまして、初期投資負担の軽減を図るため、再生可能エネルギー発電設備を対象とした低利融資制度を設けておりまして、変圧器の費用も融資の対象としております。さらに、その融資制度額を引き上げることといたしております。この変圧の問題もあります。
同時に、もう一回、電圧を安定させていかなくちゃいけないんです。太陽光も風力もそうなんですけれども、太陽光が大体、設備の稼働率で一二%ぐらいです。風力が二〇%ぐらいになっている。
そして、日によって、お日様が出たり出なかったり、風が吹いたり吹かなかったり、こういったことで変わってくる。
これを安定的な電源にしていくためには、蓄電池が極めて重要でありまして、この蓄電池についても、導入のための支援を行っていきたいと思っております。
日本は蓄電池の技術がすごいんですよ。世界でトップレベルでありまして、今はまだ、ポータブルといいますか、携帯であったりとか、それに使っておりまして、一兆円ぐらいの市場が、二〇二〇年にはこれが二十兆円に広がっていく。その中心になりますのが、この電力系統、それから自動車、こういった形でありまして、そこに対する支援も行いまして、二十兆円の市場の半分を日本がとっていく、この意気込みで頑張っていきたいと思っております。
○山田(宏)委員
今、新しい電力会社がこうやって、再生可能エネルギーの電力会社がきちっと事業として成り立つように、できるだけ電力自由化に向けてパワーアップして助成をしていただきたいというふうに思います。
きょうは、福島原発事故に関して参考人の方がおいででございますので、私からも何点か御質問させていただきたいと思います。
元委員の田中委員に、先ほども民主党の御質問がございました。私、四階のフロアで水漏れを見た職員が何人かいたというような、そういうことも証言としてある、だから一回見てみなければわからないと。単に津波で電源が、非常電源も喪失して、そしてメルトダウンが起きて、そして水素爆発じゃなくて、その前に 何かあったんじゃないかというのが先ほど長妻委員からもお話がありました。
私が注目しているのは、その水漏れは、田中参考人から見ますとどういうような原因というふうに、想定するとすれば想定できるんでしょう。
○田中参考人
最近、東京電力がそれに関する報告書といいますかレポートを公表しております。
それを見ると、換気ダクトがあるんですけれども、そこからの水漏れであるというふうに推論をしております。その線もあると思いますけれども、それを見た目撃者の話と食い違うところも幾つかございます。
それから、現在の現場の状況というのは、水素爆発が起きた後でありますので、なかなかその部分が正しく証明できないということがある。ほかの、二号、三号あるいは四号、五号、六号でも、あるいは第二原発の方でも同じような構造があるわけで、そこら辺がどうなっているのかとか、いろいろ調べたいこともございます。
まだ、東京電力の考え方が正しいかどうか、それは実際に見てみないと、元国会事故調の我々としてはわからない、判断できないということでございます。
○山田(宏)委員
今度は東電の社長にお聞きしたいんですけれども、これはNHKの番組でもたしかやっていたんですが、アイソレーションコンデンサー、アイソレーテッドコンデンサーといいましたか、冷却を、いざという非常のときに、非常電源も失われても、本当に電源なしで、少量の電源で水を勝手に回して冷やしていくという、もう最後の最後のとりでみたいな、そういう装置がありますよね。
このことについて御説明いただくと同時に、一号機でこのICと言われる自動の冷却器が稼働していたのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○廣瀬参考人
お答え申し上げます。二年前の三月十一日でございますが、地震が起きたのが十四時四十六分、津波の到達が、その後、五十分ぐらいたった十五時三十五、六分、そのぐらいだというふうに思っておりますが、その間、ICは正常に作動しております。
それはどうしてそういうことが申し上げられるかといいますと、その間、核種の挙動は普通にとれておりましたので、そうしたパラメーターを見た上で、その間は普通に運転されていたということが確認できておりますので、地震でICが壊れているというふうには思っておりません。
○山田(宏)委員
そういうお答えだったんですけれども、この報道では、このICを動かす手動のレバーをオンにしたりオフにしたりしているうちに地震が来て、オフのまま、そのまま、それに気づかずに、このICが稼働していなかった、そしてそこからだんだん煙がもやもやと外に出ていったという報告があった、こう聞いているので、稼働していなかったんじゃないですか。
○廣瀬参考人
お答えいたします。
おっしゃるように、運転員はICを何度か操作しております。最初は、水圧が下がったということからICをとめました。その結果、また戻ってきました。ということで、まさに、危機のときのマニュアルに定められたとおりの運転をしております。それに対して、IC側は反応しているというふうに考えております。
○山田(宏)委員
そうすると、あの報道は間違っている、こういうふうにおっしゃられてよろしいですか。
ごらんになっているかどうかわかりませんが、それは、ICのレバーがオフになったままで、そのIC、つまり冷却器が稼働していなかったというんじゃなくて、実際ずっと動かし続けた、こういうことでございますか。
○廣瀬参考人
説明がちょっと不十分で、申しわけございませんでした。
そうした操作を何度かやっておって、いよいよ津波が十五時三十七分ごろにやってくるわけですが、そして電源が失われて、それ以降ICはとまっておりますが、その前の最後の操作といいますか、生きている間の最後の操作がオフにしてあったということで、それ以降は、もちろん、とまったときは、とめてあったということでございます。
○山田(宏)委員
報道のとおりですよね。
そうすると、津波で非常電源まで全部だめになった。そして、本当はこのICで冷やせるはずだった。
ところが、意図的じゃないですよ、過失で、それがオフになったままになっていたということであれば、これはひょっとすると、津波によって水素爆発が起きたんじゃなくて、本当はICが稼働していれば起きなかったという意味では、結果的に見れば、非難しているんじゃないですよ、今後の基準をつくるために我々がしっかり物を見ておかなきゃいけないのは、やはり、それを忘れてしまった、または最後まで気づかなかったということによって爆発が起きた、人災、こういうふうに言える面もあるんじゃないですか。
○廣瀬参考人
お答え申し上げます。
確かに、たまたまちょうど十五時三十七分に津波が来たときにオフになっていたということで、その後もちろん動いていないというのは事実でございますが、先ほどの繰り返しになりますが、その間運転員は、マニュアルに定められたとおり、上がったり下がったりしますので、それに応じて当然入り、切りの操作をするということでございます。
○山田(宏)委員
今後この課題はいろいろ出てくると思うので、また、きょうは参考人に来ていただいていますので、次のテーマに移りたいと思います。
次は、放射能の日本の持っている基準についてちょっとお聞きをしておきたいと思います。
二〇一三年、ことしの二月二十五日の読売新聞の社説は、「原発風評被害 放射能の基準から考え直せ」という社説を上げております。その内容は、まず第一行目に、「放射能の安全基準について政府は根底から考え直すべきだ。政権交代はその好機と言えよう。」こういうふうに述べて、前政権の放射能の基準は、ここの文章によりますと、例えば食品の放射能基準を厳格化したんですけれども、これは政府の放射線審議会がこんなことをすれば弊害が出ると警告したけれども、当時の小宮山厚生労働大臣が政治的に押し切った、こう書いてあるわけです。
要は、科学的な根拠ではなくて、当時の雰囲気は本当にみんなが不安であったから、わからないわけじゃない。しかし、政治的な形での基準というのは、私はあり得ないと思うんです。
なぜならば、この間、おとといに、私も地方公聴会で仙台へ行きました。そこで菊地さんという仙台の漁協の責任者が来られて、自分たちがとった魚の放射能の基準がおととしまでは五百ベクレルだった、それを去年になって、四月になってから百ベクレルまで下げてきた、その根拠を聞いてもよくわからぬ、そして消費者の人たちや販路の人たちはなぜだなぜだということで不安になって、販路さえなかなか開拓できなくなった、こう言っているんですね。だから何とかしてくれということなわけです。
その点で、このような声を、農水大臣、お聞きになっているでしょうか。
○林国務大臣
私も実は、一月か二月だったと思いますが、現地にお邪魔したときに、山田委員とお会いになった方と同じ方か、または石巻でもお会いしておりますので、お会いして、そういうお話を聞いております。
実際に全部検査をするという検査機関を見せていただいたんですが、今お話があったように、基準値をめぐる風評被害ということで考えますと、やはりどうしても、基準値以内におさまっていても、放射性物質の含有量が低いものを食べたいという消費者の心理があります。それから、こうした心理を背景に、流通業者等が基準値よりも厳しい自主基準的なものをやる。こういうもので風評被害があるということはあり得るんだろうというふうに考えております。
○山田(宏)委員
そこで、きょうは、放射線防護学を専門とされておられる札幌医科大学の高田純教授に参考人としておいでをいただいております。
高田先生、ありがとうございます。
今、食品、特に魚などで放射能の基準を下げたわけですけれども、放射線防護学というものをまず簡単に御説明いただいた上で、今回のこういった決定を専門家、研究者から見てどう見えるのかということを御説明いただきたいと思います。
○高田参考人
お答えいたします。
放射線防護学、これは放射線、エックス線の発見、レントゲン博士ですね、この発見から始まっております。エックス線の医学利用が人類の病気の治療に対して大きく貢献した。それで、レントゲン博士は最初のノーベル賞をとっているんですが、それ以来もう百年近く、この放射線防護学研究は、最も医学的なリスク研究で進んだ分野であります。
ですから、今回の福島のことでも、いろいろなことが科学的にはわかっているんです。ところが、なかなか、前政権の二年間、現地の科学調査が十分されないまま、二十キロ圏内のブラックボックス化が進み、また、放射線はゼロが一番いいという誤った判断、これのもとにいろいろな形で規制が始まった。
きょう、ここの会場に、この委員会に、皆さん、およそ百人ぐらいの人たちがいらっしゃるわけですが、大体、自然界に放射能があります。カリウムの放射能、およそ成人一人に四千ベクレル。ですから、百人いると四十万ベクレルの放射能がここにあるんです。私たち人類は、放射線、放射能がゼロの世界で生きているわけじゃないんです。ですから、この基準に関してもきちっと科学的に見ていく必要があると思っていますし、今の規制は科学的なものから逸脱した判断があると私は思っています。
○山田(宏)委員
ここに、海外における食品中の放射性物質に関する基準値の比較があります。
ぜひ見ていただきたいんですけれども、国によって違うんです。ヨーロッパやアメリカは、お魚、今申し上げました宮城県の漁協の方がおっしゃっている、日本では百ベクレル、しかし、ヨーロッパ等では千を超えるベクレル、この基準なんですね。
何で世界でこう違うのか、なぜ日本は百なのか、簡単に御説明いただけますか。
○田村国務大臣
前政権でお決めになられたことではあるんですけれども、食品中の放射性物質、この基準値という意味からいたしますと、昨年の四月にこれは変えたんですが、食品からの被曝線量一ミリシーベルト以内というのは、これは世界的なコーデックス委員会という機関において決められている数字と同じ数字でございますから、この部分では、決して日本の数値というものが厳し過ぎるということではございません。
ただ、その食品から受けるという前提が、例えばEUの場合は、これはチェルノブイリ等々が基準になっておるものでありますから、国外から入ってくるということで、輸入の割合が一〇%と見積もった上で、そこから受ける、そういう基準でつくった数字なんだろうと思います。
一方で、我が国は、国内での事故でございますから、自給率を考えまして、流通する食品の汚染割合を五〇%と考えたということでございまして、その部分がこの差の大きな理由になってこようというふうに思います。
○山田(宏)委員
お魚とかお野菜の放射能の基準を厚生労働省が決めている。農水省に聞いても、わからないなということで、漁業者の方は水産庁の方へ行くわけです。そうすると、基準の根拠は何だと聞かれても、今度は水産庁ではなかなか説明がうまくできない。
私は、こういうところもどんどんどんどん、やはり生産者にとっては非常に強いマイナスになっているんですよ。やはりこういうものを何とか、過去の、震災直後の政権でやられたことは、もうどさくさの中でいろいろあったかもしれないけれども、ここでしっかり、安倍政権になって、落ちついて、しかし、科学的に考えてほしいと思うんです。
世界でもいろいろな議論があります、この放射線が人体に与える影響については。高い放射線はだめですよ。だけれども、一定の幅を持った放射線についてはむしろ有益ではないかという科学的な知見もたくさん出されているわけです。
こういった中で、ここは、どれがいいとは私は言いません、しかし、やはりこの原発という、本当に不幸な悲惨な事故を私たち国民は経験して、そこで、本当に食品の放射線はどうなのか、または、その地域の放射線はどうなのか、体にとってどうなのかということを、やはり世界じゅうの知見を集めて、日本で国際会議でも開いて、すぐ結論を出さなくていいから、とにかく、どういう議論が世界じゅうで行われているのかということをリスクコミュニケーションの上でもしっかりやるべきだと思うんですよ。
そうやって日本の姿勢を示していく、国際基準をつくっていく、こういうことをやはりやってほしい、こう思っていますが、最後に総理の御決意をお聞きしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣
今、山田委員から御指摘になった論点は極めて重要だ、このように思っております。
線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化について、原子力災害対策本部で議論を行い、年内を目途に一定の見解を示すという方針を決定したところであります。その際、関係省庁での検討に加えて、規制委員会が科学的、技術的な見地からの役割を果たすことになっております。あわせて、今後、検討における科学的、技術的な考え方については、今委員が御指摘になられました、国際的な会議などの場を通じて海外にも情報発信をしていく、そして国内にも一つのコンセンサスをつくっていくということにおいては、私も今お話を伺っていて、それは極めて必要だ、このように考えました。そして、国際的な共有化を進めるということも大切でしょう。
国際会議を日本が開くということも含めて、そうした対応について検討していきたいと思います。
○山田(宏)委員
よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○山本委員長
これにて藤井君、中田君、山田君の質疑は終了いたしました。