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当記事は、2021年5月17日 参議院決算委員会の質疑応答についての議事録を転載しております。掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載はご遠慮下さい。

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2021年5月17日 参議院決算委員会 山田宏の質疑応答全文
○山田(宏)君

 自由民主党の山田宏でございます。

 今日も、日本の尊厳と国益を守るという立場から御質問をさせていただきます。

 今回は、昭和三十年放映のNHKドキュメンタリー「緑なき島」、これは長崎県の端島炭坑の映像ですけれども、一部映像の捏造疑惑についてお聞きをしておきたいと思います。

 今日は、前田会長にもおいでをいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。そして、総務大臣にも御臨席をいただきました。ありがとうございます。

 この問題につきましては、本院でも和田議員、和田政宗議員、そして青山繁晴議員等が取り上げております。衆議院でも杉田水脈議員が取り上げておりますけれども、そういったことを踏まえながらお聞きをしておきたいと思います。

 皆さん、委員の皆さんのところには資料をお配りをさせていただいております。

 昭和三十年の放映ですから、もう六十六年前、何でこんな六十六年前のNHKのこのドラマの、ドキュメンタリーを取り上げるのかというと、これは現在問題になっているわけです。それは、この中の映像の一部が、特に端島炭坑の坑内映像と言われているものが韓国の徴用工、いわゆる徴用工問題の強制労働、奴隷労働の証拠としてNHKのこの番組の映像の一部が無断で使用されているというようなことが存在しているからであります。

 二〇一五年、端島炭坑も含めた明治日本の産業革命の遺産としてユネスコの世界文化遺産に登録をされた二〇一五年その年に、韓国の釜山では国立強制動員歴史館というのを同じ年に設置して、この端島炭坑は韓国の徴用工たちが奴隷労働をさせられた場所だということで、韓国はその宣伝をしているわけですね。その映像、大事な映像をNHKのこのドラマの映像を取っている、あっ、ドラマというかドキュメンタリーの映像を取っているわけです。

 これは、ここに、皆さんにお配りをしておりますこの一ページ目御覧いただくと、日帝強制動員歴史館の映像ですが、これNHKの映像なんですね、昭和三十年の映像。

 それから、韓国映画「軍艦島」というのをやりましたが、これ二〇一七年、これはNHKの映像を基にして作った映像。

 ちょっと見にくくて申し訳ないんですが、その後、韓国MBC、文化放送の番組の中でまたこのNHKの放送、このドラマの一部が、あっ、ドラマ、ごめんなさい、ドキュメンタリーの一部が取り上げられて、下もそうですけれども、こういったものを後ろの絵に出しながら、韓国の人が、この徐正雨とか崔璋燮氏が一年中ふんどし一丁で働いたとか、いろんなことを証言をしているわけです。(資料1、2)

資料1【クリックで拡大】

資料2【クリックで拡大】

 もう全部NHKのこの映像を使われているわけですね。じゃ、この映像はどうなのかというと、実は、次のページ見ていただくと、ここで働いていた人又はここで今、元島民ですね、の方々が、全員ですよ、全員、この「緑なき島」の映像全部じゃなくて坑内映像が、ほかのはみんな本物なんですけど、坑内映像、これは端島炭坑の坑内映像じゃないと断言しているわけですよ。一人も、これは端島炭坑の坑内映像だと言っている人は一人もいない。

 ここを見てください。上半身裸、ふんどしで作業をしているのがNHKの映像ですけど、こんなことないんだと、実際坑内はこうなんだと、裸で仕事なんかできないと、そもそも。キャップランプがない、NHKの番組は。ところが、いやいや、キャップがないとこれは規則違反なんだよということを、これ右側の人たち、みんな働いていた人たちなんですね。

 そして、次のページ、四ページですか、四枚目。はって作業をしていると、NHKの映像は。ところが、実際の坑内はそんな低いところってないんだということをこの加地さんも言っているわけです。そして、NHKの映像では裸電球を使用しているんですけれども、こんなもの、ガスがいっぱい出るような炭坑の中で裸電球なんか使えませんよと。これは、もう三菱の炭坑なんだから、日本一当時は近代的な炭坑なんですよ。そこで防爆ランプを使わなきゃいけないということで、爆発を誘発しないようなランプにしなきゃいけない、これはもう全部規則。

 そして、最後、つるはしで作業をしているNHKの映像ですけど、こんなつるはしで作業なんて当時はしていませんよと。ピックね、ピック、電動ピックで石炭を掘っているわけです。それから、何しろ顔が汚れていないと、ここの働いている人、みんな真っ黒なんですよ、本当は。(資料3,4,5)

資料3【クリックで拡大】

資料4【クリックで拡大】

資料5【クリックで拡大】

 こういうようなことを島民の皆さんが指摘をして、NHKに去年抗議したんです。

 そして、真実の歴史を追及する端島島民の会というのが、この映像というのはどこかの別のところを持ってきたんじゃないか、この映像だけ、坑内映像だけ、ということを言ったんですけれども、NHKは木で鼻をくくったような答弁しているわけですよ。(資料6)

資料6【クリックで拡大】

 結局、いろんなものを調べたけれども、御指摘のような別の炭鉱で撮影された映像が使用されたという事実は確認されなかったと。以上のことから、「緑なき島」は、当時の長崎市の端島における取材に基づき制作、放送されたものだというふうに考えていると、こうなっておるわけですよ。国会で前田会長も、それから正籬副会長も御答弁されてきました。もうこの域を脱していないんです。証拠がないから本物だと言っているんですよ。

 ところが、ここで働いていた人たちはみんな、こんな坑内映像、採炭現場はないよと、みんなそれ証言しておるわけですよ。おかしいでしょう、誰が考えたって。皆さんがそのときいなかったのは分かりますよ。当時のことは六十六年前だから分からない、誰も。しかし、働いていた人たちがみんなそう言っているのに、NHKはそういう証拠がないから本物だなんて言い張っていて、これ公共放送の姿勢ですか。冗談じゃないよ。

 そこで、会長にお聞きをしたいと思います。

 会長は、約百人の取材、制作に関わった部署の関係者の聞き取りをしたけれども、別の炭鉱で撮影されたという映像が使用された証言はなかったと言って、これは本物だと言っている。聞き取り調査の対象の中に当時の撮影や制作に直接関わった方がいたんですか、お答え願います。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 NHKといたしましては、関係する資料の確認や取材、制作に関わった部署の関係者などからの聞き取り、また、昭和三十年以前に撮影され保管されておりましたおよそ百四十の炭鉱の映像の精査など、確認作業を行いました。その後、様々な御指摘を受け、さらに、昭和三十年以降の映像につきましても、画質をより鮮明にして解析するなどの作業を進めております。

 こうした作業の中で、「緑なき島」以外に端島炭坑の内部の映像を使用したニュースなどが確認をされております。

 確認された映像の内容につきまして御説明申し上げますと、NHKが所有しております昭和二十二年のニュース映画の映像では、坑内の具体的な場所は特定できませんが、狭い坑内でつるはしを振り下ろしている男性などが確認されております。

 このほか、昭和三十五年放送と記録されている番組では、上半身裸の作業員が坑内から出てくる場面がございました。また、昭和三十九年放送と記録された番組では、坑道内と見られる場所で作業員が石炭をすくう様子などが映っておりました。

 先生御指摘のように、関係者の方が非常に少なく、かつ、映されたカメラマンの方は既に亡くなっておられまして、この方お一人で撮影されておりましたので、それ以上の確認は大変難しい状況であることを御理解いただきたいと思います。

○山田(宏)君

 長々と御答弁されましたけれども、要するに、当時の直接撮影に関わった人の証言を得ていないわけです。それから、誰から聞いたのかということもNHKは出さない。しかし、一方の島民の皆さんは、名前を出して、顔も出して、そして証拠も出して、これは端島の炭坑の内部じゃないと言っているんですよ。(資料7)

資料7【クリックで拡大】

 いや、私、前田会長に抗議したり、何かつるし上げたりする気はないんですよ。前田会長だって初めて聞いたと思うんですよ。みんなここにいらっしゃる人、そうだと思う。

 NHKが悪気でこの映画を作ったと思えないんです。「緑なき島」見れば本当に明るい端島炭坑の映像なんです。しかし、坑内映像だけはおかしいじゃないかと言っているわけです。

 今、裸の人もいた、つるはしを持っている人もいたと言ったけれども、それは採炭現場ですか。石炭を掘っている現場の映像ですか。

 エレベーターで下りたところに大きな広場があるんですよ、端島は。そこまでは撮影をしたことがあるということを聞きました、調査で。しかし、そこはみんなが集まって帰るところだ、エレベーターに並ばなきゃいけないんだから、そこから採炭現場行く。採炭現場の撮影ですか。裸の人が出てきたというでしょう。暑いから途中で脱いで出ていくわけですよ。違う。採炭現場で裸でふんどし一丁でつるはしを振り落とす、あんな狭いところがあったのかと言っているんです。それを見たんですか。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 坑内の特定の場所、どこかということについては、申し訳ないんですが、特定はできておりません。

○山田(宏)君

 そうだと思います。

 しかし、働いていた島民の皆さんは、そういうような、つるはしを持って採炭現場であんな狭いところをはって歩く、あんなようなことはないと全員が断言しているんですよ。

 NHKは調べようがないとおっしゃるかもしれないけど、誰が考えたって、これ、会長、やっぱり会長も、銀行をずっと経営されてこられて、誰でも変だと思いませんか、これ。やっぱり何かあるんじゃないかと普通の人は思いますよね。

 それだったら、NHKの方から、ここで働いている人で、いや、NHKの映像はこれは坑内映像だと、端島の、と言う人を一人でも連れてきてくださいよ。それができなければ、やっぱりきちっと誠意を持って調べるのが、やっぱり、いろいろ調べた、それは、こちらが調べて、なかったんだと。我々はそれ全部知らないですよ、誰から証言を受けたのか、どの映像を見たのか。見せてくださいよ、それを、島民の皆さんに。どうですか。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 元島民の方々からの御指摘を踏まえまして、現時点でできる限りの確認作業をNHKとして行ってまいりました。その結果、繰り返し御説明してきましたとおり、これまでの作業で別の炭鉱で撮影された映像が使用された事実は、残念ながら確認されておりません。また、「緑なき島」は、当時の取材に基づき放送されたものと、制作、放送されたものと報告を受けております。

 「緑なき島」につきましては、六十六年前、私が小学校四年生ぐらいのときの映像でございます。テレビが始まって二年後の番組で、関係者は亡くなっておりますので、最近制作された番組と比べますと確認作業には制約がございました。

 私は、この問題についてお話を聞いて以来、NHK、自分で一生懸命確認作業をしておりますけれども、自分で自分のことを証明するのは大変難しくて、私もある意味では直前まで第三者でございましたんで、今回の件につきましては、外部の有識者の御意見を伺うことなどを含め、また島民の方々に向き合いながら、新たな検討をするように指示をしたいと思います。

○山田(宏)君

 ありがとうございます。

 今会長がおっしゃられた、もう一回確認いたしますけれども、これからは、有識者の人の意見も聞き、そしてさらに関係者、つまり元島民の人たちにも納得が得られるように努力すると、こうお話しになりましたが、もう一度再確認。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 ただいま申し上げましたとおり、現在のNHKの制度ではいろんな番組をチェックする機構がありますけれども、今回のこの六十六年前のは、その委員会とか機構を使ってやるにはちょっとふさわしくないと思いますので、基本的にはやっぱりNHKの人でない外部の有識者、立派な方にしっかりと、ちょっとこの我々が検証したプロセス、これで本当によかったのかと、努力が、しっかりやっているのかどうか、そういうのを含めてちょっと調査をさせたいと私は思っております。

○山田(宏)君

 半歩前進なんですけれども、なぜ半歩かというと、有識者じゃ駄目なんです。有識者はNHKが選ぶわけなんです。だから、内部の人間なんです、言わば、どっちかというと。NHKに委託されて、委任された有識者なんですよ。有識者が入るわけでしょう、もうそういう委員会つくったら。そうじゃなくて、元島民の人が、働いていた人が、こんな場所はないんだと。ほかはみんな、「緑なき島」は、ほかの映像はみんな端島の映像です。いいドキュメンタリーです。すばらしい作品ですよ。

 しかし、坑内映像が今、韓国によって強制労働、奴隷労働の証拠として使われて、島民の人たちは、これは端島の映像じゃないと、島内映像じゃないと、ここだけは、こう言い張っているわけですから、その有識者に聞かれたって分からない、有識者は。

 元島民ときちっと、元島民の方に入ってもらって、入ってもらって、そして、元島民の人も、何も親の敵じゃないんだから、元島民の人にも入ってもらって、これで、私はこう考えるけれども、あなた方、納得してくれませんかねと、この映像、どうでしょうかと。それぐらい公共放送なんだからやってもいいじゃないですか。これ、ずっと、そんな木で鼻をくくったような答弁続けていくと、ずっと国会に呼ばれますよ。

 私は、元島民の人が、なるほどねと、NHKも努力してくれたねと、なるほどこの映像はそうかねということで、ああ、これは知っている、知っているよと、こういうようなことでやる。そんな有識者を呼んでやるというようなことは、まどろっこしいことやらないで、元島民の人を呼んで一緒になって検証したらどうでしょう。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 前の国会でも申し上げたんですけど、これまで、島民の会の代理人の方から、元島民の方々とは直接連絡取らないようにと強く要請された経緯がございまして、NHKはそれを尊重して、直接やり取りすることはこれまで控えさせていただいております。

 ただ、先生御指摘のようなこともございますし、島民と一緒に検証を行うべきではないかという御意見もいただきました。

 ただ、この件に関しましては、具体的な対応、これからになりますけれども、放送の自主自律の観点から、確認作業は基本的にやっぱりNHKが自主的、自発的に、自律的にやるのが筋だと私は思います。

○山田(宏)君

 そんなの駄目です。六十六年前ですよ。誰も分からないんです。働いていた本人が違うと言っているんですよ、本人たちは。

 構成表、和田政宗議員の質問に対して、正籬副会長は、五月十三日、アーカイブ内に、アーカイブ、NHKのですね、アーカイブズ内に「緑なき島」の構成表が存在することを証言されました。

 しかし、そのアクセスは、誰でもNHKの職員できるかというと、個人情報も入っている映像もいろいろあるので、このアクセスできる人については許可をしていると、こうなっていましたね。
「緑なき島」のこのアーカイブズ、NHKのアーカイブズ、これはそういう形で、ここにアクセスを制限しているんでしょうか。そんな個人情報があるんでしょうか。その点についてはどうでしょう。お答えできれば。

○参考人(正籬聡君)

 お答えいたします。

 アーカイブスシステムにつきましては、職員でそのアーカイブスにアクセスする申請書を出しまして、それを、申請を受け、認められた者がアクセスするという状況になっております。

「緑なき島」についても、基本情報ですね、そういったものはアクセスできるような状況になっております。

○山田(宏)君

 正籬さん、ここで答弁は正籬さんはしてはいけないって言ったんです、僕は。駄目ですよ、呼んでないです。大問題ですよ。後ろでね、いろいろ資料を渡したり、こういう答弁だということを説明するのはいいと、だけど答弁者としては呼んでいないから。

 それで、韓国のこの間の和田質問については、KBSについて、いわゆる通常のルールでこの映像を提供したと、二〇一〇年、正籬副会長が御答弁されました。通常のルールって何でしょう。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 放送機関との個別の契約でございまして、詳細は控えさせていただきますが、KBSに対しては、二〇一〇年にNHKの番組を海外の放送機関などに有償で提供する通常の枠組みの中で「緑なき島」の映像を提供申し上げました。

○山田(宏)君

 まあ会長だからお分かりにならないとは思うんですけどね。

 実は、NHKの放送センターの七階にKBSの東京支局があるんですよね。で、この東京支局では報道情報端末というものがNHKの中にあって、いろんな支局とかいろんな報道局の取材計画とか、あとインタビューの内容とか、そういうのが全部載っている、見られる。これを、NHKの、このKBS、韓国の言わば放送公社ですね、NHKみたいなものです、韓国の、これがNHKのそういう放映内容について自由にアクセスできるんですか。それは御存じ。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 ちょっと詳細不明でございますが、基本的にはアクセスできないと思います。

○山田(宏)君

 私はできると聞いている。まあ、お調べいただきたいと思います。ずっと長年、KBSとこのNHKのずぶずぶの関係によって、まあこういうものは映像で勝手に使ってもいいだろうというような、そういう甘えが生じているんじゃないかと、こういうふうに私は考えておりますので、よく調べていただきたいと思います。

 そもそも、独立国家を背景にした公共放送がですよ、それぞれの国が独立しているにもかかわらず、放送同士がずぶずぶの関係というのは問題だと思っているんですよ。そういうことを考えると、また、NHKの映像というのは国民の、視聴者の受信料によって映像が撮られているわけですから、国民の財産だ、何で韓国のKBSが勝手に使えるかと。まあ、そういうことを考えますとね、やっぱりこの点についてもやはり今回の問題を惹起する原因になったんじゃないかと思っております。

 さて、この「緑なき島」の坑内映像につきましては、今も申し上げたとおり、そこで働いていた人は今のところ全員、全員というか、声を出している人は全員、こんな場所ではなかったと。NHKは調査したと、しかし直接の作成した人はもうお亡くなりになってできなかったと、映像いろいろ見たけれどもなかったと。まあそれは、見たのは、見た人が見て、NHKの職員の人が見たんだけど、我々見ているわけじゃない、島民の人が見ているわけじゃない。つまり、NHKは自分の調査を信じろとただ言っているだけで、もちろん、普通は調査は信じます、だけど関係者が違うと言っているわけですから、そして国民の受信料によって成り立っているわけですから、NHKは。それはね、余りにもやっぱり対応としてNHKの信用を失墜させるものじゃないかと考えています。

 一体、この「緑なき島」の坑内映像というのは一体どこなんだということで、これは絶対端島じゃないとみんな島民は言い張っているわけです。

 そういう中で、いろいろ調べてみると、これは筑豊の小ヤマ、あっ、大臣いらっしゃる、大臣の御地元なんですけれども、筑豊の小ヤマには、小ヤマではないかという、こういう指摘があります。大体、三菱のあんなでかい炭坑は、こういうちっちゃい掘り方しないんですね。裸電球もないんです、それは違反ですから。

 そうしたら、そこで、黒岩文人さんという人が中学時代、小ヤマで手伝ったと。そして、このNHKの映像を見ると、自分の見た小ヤマの坑内だった、坑内だと、同じだと。小ヤマで働いていた、小ヤマというのは小さい炭坑のことですが、働いていた東房さんですかね、小ヤマで、これは小ヤマというのは三菱の炭坑じゃないと、これは筑豊の小ヤマなんだ、小さい炭坑なんだと、に間違いないと。裸電球やスラ、これ小さなトロッコみたいなやつですね、は端島というそういう大きなところにはないと断言しているわけです。

 そして、先ほども御紹介した黒岩さん、でも、NHKの映像は何で顔が汚れていないのかねと、これ不思議だよねと、こういうことを言っているわけです。結局、私が想像するにですよ、NHKはいい映像を撮られたんです。だけど、坑内映像がやっぱり当時の規定で危ないからということで許可されなかった。坑内映像がない「緑なき島」はしようがないよねということで、どこか撮れるところないかなと探してみて、あっ、そうそうそう、筑豊にこういうのがあるから、そこで撮ってもいいんじゃないのということで、私は、キャストを集めて、そしてそういう映像らしきものを撮ったんじゃないかと想像しているんです。

さあ、NHKの、あっ、これ、大臣、これ大臣の御地元、田川市の山本作兵衛、炭坑画家というのかな、の人の、これも明治の記憶遺産になっている、記憶遺産というか世界遺産になっているんですけれども、その博物館の方からお借りして、許可を得て撮りましたけれども、小ヤマの炭坑というのはこうなんです。(資料8)

資料8【クリックで拡大】

 これ、NHKの映像そのまま。つまり、筑豊の炭坑はこういう形でやっていた。でも、端島はあり得ないんです。ないんです、こんなの。

 そこで、NHKの放送ガイドラインが九ページにあります。放送の基本的な姿勢というのを定めていますけれども、NHKのニュースや番組は正確でなければならない。正確であるためには事実を正しく把握することが欠かせない。で、一番下、事実関係に誤りが明らかとなった場合は速やかに訂正するとあります。(資料9)

資料9【クリックで拡大】

 しっかりこのガイドラインに沿って、もう一度ですよ、島民の人も一緒になってこの映像を、NHKの信頼というものを維持し高めていくために、やはりきちっとみんなが納得する形で検証してほしいと思うんですけれども、もう一度前田会長の御決意を伺います。

○参考人(前田晃伸君)

 お答え申し上げます。

 先生御指摘の点につきましては、更にNHKとしても努力をさせていただきたいと思います。それで、事実に一歩でも近づきたい、それから、島民の方々のお気持ちにも寄り添いたいと思っております。

○山田(宏)君

 先ほどから申し上げているとおり、私は、NHKが悪意を持ってあの映像を作ったとは全然思っていません。それから、皆さんが悪意を持ってやっているとも思っていないんです。それはもうNHKの今の組織を防衛するためには、それはそうかもしれない。

 しかし、NHKは受信料で成り立っている。今度、放送法の改正案が出てくる。これは、NHKと受信契約していない人に対しても、払わない人に対しては割増しして請求をできるという法案がこれ用意されているわけです。今後そういったものの審議に入るに当たって、やっぱりNHKは、しっかりとこれは、そうやって突き放すんじゃなくて、今会長のお話のように、しっかり島民の人たちの納得を得られるような回答を出してほしいと思うんです。

 そのための検証をしてほしいと思うんですけど。

 最後に、総務大臣、申し訳ございません。総務大臣の御地元もお話をいたしましたけれども、私はNHKの信頼を高めていくチャンスでもあると思うんです。是非、そういった形で元島民の人たちにそういった機会を与えてほしいと、検証の機会を与えてほしいと思いますので、よろしく一言御答弁をお願いします。

○国務大臣(武田良太君)

 故郷の話を持ち出していただきましたこと、厚く御礼申し上げたいと存じます。

 もう先生御承知と思いますけれども、放送法というのは、自らの事業者が責任を持って自主自律を基本とする枠組みをなっておりまして、個別についてコメントすることは差し控えたいわけでありますけれども、その上で、NHKにおいては、国民・視聴者の御指摘のとおり受信料で支えられる公共放送であることを踏まえ、端島の元島民の方々の御意見にしっかりと耳を傾けて、その皆さんから十分な理解を得られるよう丁寧な対応に努めていただきたいと、このように考えております。

○山田(宏)君

 ありがとうございました。

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