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当記事は、2017年8月30日 外交防衛委員会についての議事録を転載しております。掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載はご遠慮下さい。

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2017年8月30日 外交防衛委員会 山田宏の質疑応答全文
○山田(宏)委員

 自由民主党の山田宏でございます。今日も自民党の一員として、我が国の国益と尊厳を守るために、そういった姿勢で質問をさせていただきます。
 まず、今般の北朝鮮による弾道ミサイルの発射ということにつきましては、我が自民党としても、国民の安全に極めて重大な危険を及ぼす行為であり、断固として抗議をすると同時に、万全な対策を政府に取っていただくように求めていきたいと考えております。
 さて、今回のミサイル発射ですけれども、ちょっと質問通告していないものもあるのは申し訳ないと思うんですが、今までいろんな御質問があったんで、それに関連して幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 今年になって十三回目なんですよね、私、数えてみたら。違っていたら御訂正ください。最初、トランプ大統領と安倍総理がフロリダで会ったときに、今年最初はありましたね。あのときには断じて容認できないという、こういう声明を総理出されました。
 それからずっと、今、半年間見ておりますと、だんだん我が国の抗議のレベルが上がってきているわけですね。三月六日、男鹿半島の近辺に三発のスカッドミサイルが、四発撃ったんだけれども、EEZの中に三発入ったということについては、新たな脅威だという、脅威という言葉を使いました。それまでは挑発と言っていた。脅威になったと。さらに今度は、五月二十九日のスカッドミサイルの発射においては、最も強い表現で非難すると、大分非難が強くなった。七月四日、火星14型、ICBMですね、これのときは、更に脅威が増したと。そして、七月二十八日、火星14号、これも、脅威が重大かつ現実的なものになったと。そして今度、八月二十九日、火星12型、これまでにない深刻かつ重大な脅威と、非常に表現が強くなってきているわけです。
 国民にとってみれば、一体どういうふうに脅威が我が国にとって強まってきたのかということについて分かりやすい言葉で御説明をいただけたらと、こう考えているんですけれども、いかがでございますか。

○委員長(宇都隆史君)

 どなたに質問されますか。

○山田(宏)委員

 防衛大臣、お願いします。

○国務大臣(小野寺五典君)

 三月の弾道ミサイル発射事案のときは、たしか、その後の北朝鮮の声明で、日本にある在日米軍基地を攻撃する訓練のようなニュアンスがあったかと思いますし、それからまた、発射される弾種においては、例えばロフテッドで高い高度を維持できる内容、あるいはSLBMのような形でいわゆるコールドローンチ方式で打ち上げる、いろんな探知しにくい撃ち方を様々してまいりました。さらに今回は、事前通告なしで日本の上空を通過するような弾道ミサイルがあったということ、こういう様々なレベルを想定してそのような発言になったのではないかと私は推察をいたします。

○山田(宏)委員

 技術が高まってきているというのは分かるんですけれども、我が国にとってどんな脅威なのかということなんですね。つまり、着弾する可能性が飛躍的に上がっているとか、又は弾頭が非常に開発が進んできているとか、我が国にとってどうなのか。
 今回のミサイルは、どちらかというとアメリカ本土ないしアメリカの領海、領空、領土にも届くということから考えると、日本に届くやつはもういっぱいあるわけですよ、ノドンやら北極星2号とかですね、二千キロですから日本全部入ってしまう。だから、日本にとってはそういうミサイルはもう現実的な脅威で、もうちゃんと配備をされちゃっているわけですけれども、今度は更にアメリカまで届くということが何で日本の脅威なのかということについて御説明をいただけますか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 従前の弾道ミサイルの発射の場合に、例えば日本に対しての直接的な明言というのが私はそんなに多くなかったと記憶をしております。特に、今年の三月のミサイル発射の場合には、具体的な日本の地名を挙げて、そこで在日米軍基地、済みません、失礼しました、具体的に日本にある在日米軍基地についての訓練ということで北朝鮮はお話をしておりますし、あるいは今回グアムに向けて発射するという北朝鮮の発言がございましたが、その際も具体的に日本の地名を挙げて、その上空ということをお話をしております。
 我が国にとってはかなり北朝鮮からの威嚇的な発言が続いているという、そういう印象を持って総理はそのような発言をしたのではないかと思いますが、いずれにしても総理としてのお話でありますので、私どもは類推ということでお許しをいただければと思います。

○山田(宏)委員

 それでは、この新たな、重大かつ深刻で、しかも現実的な脅威と、こういうふうに述べているわけですけれども、これに対してどう我々対応していくのかということについて何点かお聞きをしておきたいと思います。
 まず、先ほどからお話あるように、ミサイルを撃たれた場合はイージス艦による迎撃、更にPAC3による迎撃、こういったミサイル防衛というものをやるわけですけれども、それと同時に、これからイージス・アショアという地上型のミサイルというものも整備をしていくという方針になっています。
 ただ、ミサイルに対してミサイルを撃つというだけではなく、今後更に抑止力、新たな抑止力を高めていくために、大体今の兵器というのは電子的なもので作動しているわけですから、電子戦又はサイバー戦、こういったような、いわゆるアメリカの海軍の言葉で言えば電磁機動戦、盲目化作戦というものを日本としてもきちっと検討すべきじゃないかと考えているんですけれども、その辺についての状況はどうでしょう。

○副大臣(山本ともひろ君)

 委員御指摘のいわゆる電磁機動戦でございますが、委員おっしゃったとおり、米海軍におきまして、電磁スペクトラム領域における決定的な軍事的優位を確保することで、全ての米海軍の作戦領域における行動の自由の確保を可能とするための米海軍のアプローチとして定義をされていると理解をしています。
 現在、防衛省・自衛隊において、BMDでの活用を含め、防衛力整備に当たってこの電磁機動戦のコンセプトを確立して我々が具体的な検討を行っているかと言われますと、具体的な検討にそのコンセプトを反映させてはやってはおりません。
 ただ、将来的な状況を判断しますと、いわゆる陸海空という伝統的な領域以外、いわゆる電磁の、あるいはサイバーの、あるいは宇宙空間といった領域も考えていかなければなりませんし、そういったところの分野で優位性、優越性を確保するということにおいては、電磁波の利用の確保も重要な課題だと認識をしています。
 ただ、申し上げたとおり、米海軍のコンセプトを我々が採用しているわけではありませんが、具体的に各種事態等の兆候を早期に察知し迅速に対応するために、周辺空域において、艦艇や航空機の電波情報の収集を行う航空機であるEP3あるいはYS11EBにより電波情報の収集を行っている、あるいは敵による電波妨害を模擬するということで、航空機であるUP3Dを用いて、電波妨害が行われた際に我々はどういう対応をするかというような訓練を行う、あるいは敵の戦闘機に対して電波妨害を可能にするF35の導入等々、我々は我々としてそういった発想に基づいて防衛力整備を行っている次第であります。

○山田(宏)委員

 今の兵器はアナログでない限りこういった精密な電子機器によって作動しているわけですから、その分野について、それを狂わせる、そのようなやはり兵器というのは防衛兵器として極めて有用と考えておりまして、是非積極的に日本としても検討していただきたいと、こう考えております。
 と同時に、レーザーとかアメリカのレールガン、さらに電磁波による攻撃、そしてまたマイクロウエーブ、こういったものを使った防衛兵器というものの開発にも積極的に取り組んでもらいたいと考えておりまして、これまでも防衛省としては研究等をやってこられたと認識をしておりますけれども、その状況も踏まえて、是非御決意をお聞かせいただきたいと考えております。

○副大臣(山本ともひろ君)

 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、昨年、防衛省では、今後二十年間を見据え重点的に獲得を目指すべき技術を提示させていただいた中長期技術見積りを策定をいたしました。その中で、今後重視すべき四つの技術分野というものを提示させていただきまして、そのうちの一つとして、委員御指摘のレーザーあるいはレールガンといった高出力エネルギーを特定をさせていただいたところであります。
 具体的な取組としましては、レーザー技術については、平成二十八年度まで防空用高出力レーザーに関する研究を行っております。ここで得られた知見も生かし、今後も力を入れて取り組んでまいりたいと思います。また、レールガンについても現在、要素技術の研究を行っているところであります。
 こうした、今後、局面、事態を一変させるようなこういった重要技術分野については、諸外国の技術協力も念頭に置きながら育成を図っていくことが重要であると考えております。そういう意味合いでは、日米ガイドラインにおいても、装備品の共同研究、開発、生産、試験評価について協力するというふうにされておりますので、日米での技術協力の実施も選択肢として視野に入れながら、委員御指摘のとおり、一生懸命我々も進めてまいりたいと思います。

○山田(宏)委員

 ちょっと近未来的な話で昔はあったんですけどね、マイクロウエーブのようなそういう電子の膜を日本列島全体に覆わせることを通じて、相手から来るミサイルを機能させなくする、又は目標に当たらなくするという技術は大分進んでいると、こう聞いております。本当は来たところに戻るようにしてほしいんですよね、本当はね。そういう技術も是非開発をしてほしいと思うんですね。そうしたら絶対撃てないですから。
 そういった意味では、ゲームチェンジャーとなるそういった技術というものは日本はかなり進んでいる。ポイントは、ポイントは、レールガンもみんなそうなんですけれども、電力なんです。すごい高出力の電力が必要になってくると。しかも、できればポータブルでということになってくると、この技術というのは実は日本が一番進んでいるんですよ。日本が、しかも中小企業が持っている。だから、そういった中小企業に対して外国のところが買いに来ているというような情報も聞いております。
 我々は、これやっぱり防衛としてこういった技術については最大限守っていく、そういった方針を持っておかないと、ほかの国に持っていかれたらやられてしまうわけですからね、是非その辺はよく注意をしてやっていただきたいと考えておりますが、いかがでしょう。

○副大臣(山本ともひろ君)

 委員、御指摘ありがとうございます。
 昨年、防衛省が策定をさせていただきました防衛技術戦略にもまさしく御指摘の点を記載をさせていただいたところでございます。我が国が技術的優位を確保し続けるためには、高度な軍事関連技術が他国に流出することは重大な問題であり、機微な技術をしっかりと守ることが極めて重要であると認識をし、記載もさせていただいているところでございます。
 こういった観点から、防衛装備庁では、外為法を所管する経済産業省と協力をしまして、軍事にも応用可能な先進的な民生技術に関する技術的機微性の評価に当たり意見を述べるなどをしております。また、必要な防衛装備品の調達に支障を来すことのないよう、装備品のサプライチェーンの可視化及びリスクへの対応にも取り組んでいるところであります。
 今後も、我が国から重要技術が流出することのないよう、引き続き経済産業省、関係省庁と緊密に連携を図ってまいりたいと思います。

○山田(宏)委員

 そうしたら、午前中の衆議院でも質問がちょっとありましたけれども、敵地に対する攻撃能力についてお尋ねをいたします。
 自民党としては、反撃としてですよ、反撃としての敵基地攻撃能力を持つべきだという提言をさせていただいております。ですから、こちらから先制攻撃するわけじゃない、反撃としての敵基地攻撃能力、これは憲法上問題ないでしょう。私は、総理がこの問題についても今年の四月十三日のこの外交防衛委員会で、今いらっしゃらないけど、浅田委員の質問に対してお答えになっておられますけどね、現在、自衛隊は敵基地攻撃を目的とした装備体系は保有しておらず、また保有する計画もないわけでありますが、にょろにょろと、こう来て、しかし、その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中で、日米間の適切な役割分担に基づいて抑止力を強化していくけれども、様々な検討は行っていくべきものと、こう総理は答弁されている。
 今のところは、日本は盾、そしてアメリカは矛と、ずっとその矛、盾の論理があったわけです。しかし、アメリカの矛も大分やはり今の状況になって全部をカバーすることができなくなった。アメリカもやっぱり日本がその矛の一部も憲法の範囲内できちっとやってもらうということは歓迎なんですよ。
 私は、やはり最大の抑止は、やったらやり返すぞというところがないと、やられるばっかりになっちゃうんだ、これ。だから、やったらやり返すよと言うから初めてこの抑止力というのが高まるわけで、それがみんなアメリカに負っているということだったら、アメリカと何か状況が変わってきたら、我が国の安全は他人任せになっているんだから、やっぱり自力で、我が国にとって脅威だと言うんだったら、我が国の力でできるだけの努力をすべきじゃないですか。
 是非、反撃のための敵基地能力、これは検討も調査もしないというんじゃまずいんですから、検討と調査ぐらいしてください。どうですか。

○副大臣(山本ともひろ君)

 御指摘ありがとうございます。
 もう委員おっしゃったとおりのことでございますが、いわゆる敵基地攻撃については、憲法上、攻撃を防ぐ、もうやむを得ない必要最小限度の処置をとることは自衛の範囲に含まれるということで、可能性としてはあり得るということでございますが、もう先ほど委員がおっしゃられたとおり、自衛隊として、ではそういう装備体系にあるのかと申し上げると、我々は専守防衛ですのでそういう装備体系は有しておりません。そしてまた、それを保有するという計画も今の現在はございません。
 重ねて申し上げますと、総理は八月の六日にこのように発言をされております。もとより、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中、国民の生命と財産を守るため何をなすべきかという観点から、常に現実をしっかり踏まえながら様々な検討は行っていくべきものと考えておりますが、現時点において敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行う予定はありませんと総理は御発言をされておられます。したがって、我々防衛省・自衛隊としましては、総理が示されたその考え方の中で弾道ミサイル対処能力の総合的な向上のための検討を進めてまいりたいと考えております。

○山田(宏)委員

 新たな、重大で、かつ深刻で、かつ現実的な脅威と言っているんですよ、我が国にとって。なのに、反撃のための敵基地攻撃能力も持たないって、トマホークですよね、まあはっきり言えば、持たないというようなことで本当に守れるんですかね。そこは全部アメリカ頼みで大丈夫ですか。
 私は、ここまで言うんだったら、計画はないのは分かっていますよ、そんなの、計画は、まあ山本副大臣責めてもしようがないんだけどね、是非検討してほしいんです。小野寺大臣、調査研究、どうですか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 私も、総理が発言されておりますが、現時点においては敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行う予定はないという、その中で、総合的な弾道ミサイル防衛対処能力の向上に努めてまいりたいと思います。

○山田(宏)委員

 今後検討する可能性ありますか。選択肢の一つでしょう。

○国務大臣(小野寺五典君)

 繰り返しますが、安倍総理は、現時点において敵基地攻撃能力の保有に向けた具体的な検討を行う予定はありませんと発言をされております。

○山田(宏)委員

 まあ、与党ですからこれ以上やりませんけどね。何というかな、一番の抑止ですよ。分かっているじゃないですか、一番の抑止なんだ、これが。だから、これで大陸間弾道弾に核弾頭でも積まれてアメリカが仮に脅されるようなことになったら、日本に向けてはもうミサイル山のように向けていてですよ、そしてアメリカがいざとなるとこれは立ち上がれないと、ちょっとちゅうちょすると、北朝鮮のミサイルがアメリカに届くようになれば。そうしたら、日本はもう丸裸じゃないですか。相手の言うとおり動くしかなくなるんですよ。将来の選択肢として残していただくことを要望します。
 そして、今度は、去る四月二十一日に、政府は北朝鮮のミサイル落下に対応するため国民保護法に基づいて地方自治体に訓練を呼びかけました。現在のところ、その訓練の状況はどうなっているのか。また、そこから、訓練から見えてきた課題というのがあったら教えてください。

○内閣官房副長官(野上浩太郎君)

 本年四月に消防庁より各都道府県に対して、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施を依頼したところでありますが、本日訓練を実施した石川県輪島市も含めて、国と地方公共団体が連携して今年度これまで十一回の共同訓練を実施をしているところであります。また、地方公共団体単独の住民避難訓練も、今年度少なくとも十二団体で実施されているものと承知をいたしております。
 訓練の実施を通じて、弾道ミサイルが我が国に落下する可能性がある場合におけるJアラート等により伝達される情報の内容ですとか望ましい避難行動について国民の理解、周知促進のための取組を進めてきております。
 そして、訓練に参加された方からは、緊急時の行動を考える機会となった、あるいは有意義な訓練だった、何度も実施する必要があるなどの御意見をいただく一方で、防災行政無線からのサイレン、放送が聞こえにくいという話ですとか、どこに避難すれば安全か分からない、あるいは、自宅にいた場合、避難先への移動には十分な時間がないなどの課題の御指摘もいただいているところであります。
 昨日も北朝鮮が北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射しておりますが、この住民避難訓練については、これまでの訓練を通じての今申し上げたような課題を踏まえつつ、より実践的な訓練も含めて引き続き積極的に推進をしてまいりたいというふうに思います。

○山田(宏)委員

 今日、野上副長官にお忙しいのに来ていただいたのは、この問題、国民保護法に関わる問題をやると、いろんな省庁に関わって一体どこが答弁するんだと、新たな課題だと分からなくなっちゃうので、それだったらもう政治家の方に答弁してもらうしかないということで、申し訳なかったんですが、副長官にお願いをいたしました。
 そこで、私も杉並区長時代にやったんですけど、国民保護法ができた二〇〇五年、二〇〇五年というか、二〇〇五年、もう直後ですね、杉並区で保護計画を作ってやったんですけど、これは天然痘をホールでまかれたということを前提に、シナリオは全く分からないんです、こっちは、区長は。そのシナリオを次から次へと提供する部隊がいまして、そこがいろんなシナリオを提供してくるんです。そうすると、そのたびごとにどうするのかと考えなきゃいけない。やっぱりこういう、何かシナリオができて卒業式みたいな式典みたいな訓練だけではなくて、やっぱり何か、そのときにどうするのかと考えさせるような、そういう訓練も絶対必要だなと、こう考えております。
 安倍総理は、この四月十三日の外交防衛委員会で、シリアで使われたサリンの問題に関して、シリアについて議論が出されたわけでありますが、言わばサリンを弾頭に付けて着弾させるという能力については既に北朝鮮は保有している可能性があるわけでございましてと、このように答弁されています。
 つまり、北朝鮮の能力高まっていると。もう弾頭に化学兵器、生物兵器又は核物質、こういったものを載せて日本に着弾させる力があるというふうに、核兵器は今のところ分からないけれども、少なくとも生物兵器やサリン、こういったものは載せられるようになっていると、総理は可能性があるということを認めているわけです。
 仮にですよ、これが近い将来着弾してきたら自治体はどうするのかと。サリンなんて見えないですから、炭疽菌も見えないですから、そのときの地方自治体の対応のマニュアルが要るんじゃないかと、私は自治体の長としてそれを思うんですよ。それを地方自治体に作れといったって無理です、無理です。国として、そういった化学兵器や生物兵器、その他核物質、それがミサイルによって着弾させられたときの地方自治体の対応のマニュアルというものはありますか。又はそれをなければ作っていただきたいと考えております。

○委員長(宇都隆史君)

 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。

○内閣官房副長官(野上浩太郎君)

 弾道ミサイル落下時には、まず、できる限り頑丈な建物や地下に避難していただくなど速やかな避難行動が重要であり、先ほど御説明申し上げたとおり、広報や住民避難訓練の推進に努めているところであります。
 その上で、万が一弾道ミサイルが落下した場合におきましては、頑丈な建物や地下などへの避難行動後、弾頭の種類や燃料などの危険性に応じて、警察、消防等の関係機関において検知や除染、警戒区域の設定、傷病者の救命救助や医療機関への搬送などを行い、また、住民の皆様に必要な情報を提供して更に安全な場所へ避難をしていただく必要がある場合もあります。
 御指摘の生物剤あるいは化学剤などが散布された事案への対応につきましては、これまでテロを想定した国と地方公共団体との共同訓練を積み重ねているところでありますので、これらの知見を地方公共団体や関係機関でまずは共有していかなければなりませんし、弾道ミサイルが落下した場合特有の対応については、これは御指摘の点も踏まえて関係機関で連携をして検討してまいりたいというふうに思います。

○山田(宏)委員

 ありがとうございます。検討してください。
 それと同時に、化学兵器やその核物質の被害に対応するために、これはちょっと異常な事態なんですけれども、やはり検査キット、医療用機器、設備、医薬品などの準備というものも国として、総理は弾頭にサリンを載せる力がもう北朝鮮は備わっていると、可能性があると、そう認識をされているわけですから、当然その備えをしておかなきゃいけないと思うんですが、そのことについても国は準備をしていただきたいと考えておりますけど、いかがでしょう。

○内閣官房副長官(野上浩太郎君)

 厚生労働省では、いわゆるNBC災害の発生時におきまして、医療機関による円滑な医療活動が実施できるように、NBC災害・テロ対策設備整備事業によりまして、都道府県を通じて医療機関に対してNBC災害発生時における災害緊急医療体制整備に必要な医療機器等の購入に必要な経費を補助をしております。
 今後とも、核兵器、生物兵器、化学兵器に対応した医療機器、検査機器等の整備をこれしっかりと進めてまいりたいというふうに思います。

○山田(宏)委員

 今回のJアラートによって東北新幹線、北海道新幹線、三十分程度運行を見合わせたということでございました。前回と違って今回はもう一斉に鳴りましたね。これはもうこの間の議論も踏まえて対応されているんだろうと思いますが。
 このミサイル危機、仮に着弾しなくても、そういった危機に備えていろんな経済活動が民間企業で止まる、又は仮に着弾して破壊されるというようなことになった場合、その経済的被害というものについての対応というのは、天災なんかは激甚災害指定とかいろいろありますけれども、こういったいわゆる有事における民間の被害についての対応というものは何か検討されているんでしょうか。

○内閣官房副長官(野上浩太郎君)

 我が国に対する武力攻撃に関して、実際にどのような規模でどのくらいの期間継続するかと、またそれによる国民の被害ですとか国力の損耗の程度について事前に予測することは事柄の性質上困難でありますが、一方で、お尋ねの国民の被害にはこれ様々な様態が考えられますので、その対応措置等につきましては、これは個別具体的な判断が必要であるというふうに考えております。

○山田(宏)委員

 よろしくお願いします。
 河野大臣、せっかくおいでいただいて、今まで電話会談等やられておられたと思うんですが、何か報告していただけることがあればお願いしたいと思います。

○国務大臣(河野太郎君)

 今日は、イギリス、オーストラリアを始め各国の外務大臣との電話会談をやらせていただきました。
 北朝鮮がここでミサイルを発射したということは対話の意思がないと判断せざるを得ない、北朝鮮に対してしっかりと安保理決議を全ての国に完全に履行してもらうことによって経済的な圧力を掛けていくということが必要であるというところではほぼ一致をしております。
 また、更なる安保理決議が必要かどうか、北朝鮮の対応を見ながらしっかり考えていかなければいけないというところでも一致していると思いますので、これからの北朝鮮の対応を見ながら、日米韓でしっかり連携をし、それにオーストラリア、あるいはイギリス、フランスといった国々にも連携の輪を広げていきながら、やはり中国、ロシアにしっかりとその役割を果たしてもらう、そういう働きかけが必要になってくるだろうと思いますので、そこに向けてしっかり外交努力をしてまいりたいと思います。

○山田(宏)委員

 ありがとうございました。
 少しずつ朝鮮半島有事の可能性も高まっているなという感じを受けております。相手が不確定ですからね、もう全然意に介さないという態度でぎりぎりのところを攻めてくるという中で、何かはずみで起きてくるということも想定しておかなきゃいけないと思うんですが。
 これまで本委員会でも何度も質問がありました。改めて御報告を外務大臣、お聞きしておきたいと思うんですが、朝鮮半島での有事が生じた場合、在韓邦人の方の避難について現在どういった対策がどこまで進んでいるのか、御報告のできる範囲でお願いしたいと思います。

○国務大臣(河野太郎君)

 昨年の十月の時点で韓国に滞在をしている在留邦人が在留届のベースで三万八千人、短期渡航者、観光客を含めると、推計ですが、常時六万人の日本人が韓国にいることになるだろうと思います。
 まず最初は、商用便で極力出国をしていただかなければなりませんので、今、在韓国日本国大使館とソウル日本人会で共同で安全マニュアルを作成して、緊急時の連絡手段、これは外務省や現地大使館のホームページのほかに、領事メールあるいはSMSなどを使って情報伝達ができるような仕組みをつくっておりますので、これをまずきちんと周知しております。また、あらゆる機会を通じて、長期に滞在される方には在留届の提出を、短期の渡航の場合でもたびレジに登録をしていただいて、有事の際には連絡が取れるというようなことができるようなことを呼びかけております。まず、そうした手段で極力商用便が利用可能なうちに退避をしていただくということになるだろうと思います。
 商用便が使えなくなるというような状況になった場合には、これは個別具体的な状況に応じてですが、政府がチャーターする、あるいは保有する飛行機、船舶を始め、友好国の協力をいただきながら、あらゆる可能性を追求して最も迅速かつ安全な手段で邦人の退避支援に最大限努めなければならぬと思っております。
 平素から様々、情報の提供、安否確認といった手段の準備、検討を行っておりますので、しっかりと有事の際に対応できるようにしてまいりたいと思いますし、突発的な有事に当たってどうするか、韓国あるいは友好国としっかりと連携を取ってまいりたいというふうに思っております。

○山田(宏)委員

 時間となりましたので、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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2014年2月20日の衆議院予算委員会の集中審議における、山田宏と各閣僚との質疑応答の映像、そして質疑応答の全文を公開しています。

■2013年10月22日 衆議院予算委員会 集中審議 山田宏の質疑応答

2013年10月22日の衆議院予算委員会の集中審議における、山田宏と各閣僚との質疑応答の映像、そして質疑応答の全文を公開しています。

■2013年4月5日 衆議院予算委員会 集中審議 山田宏の質疑応答

2013年4月5日の衆議院予算委員会 エネルギー・原発等についての集中審議における山田宏と各閣僚との質疑応答の映像、そして質疑応答の全文を公開しています。

■2013年3月18日 衆議院予算委員会 集中審議 山田宏の質疑応答

2013年3月18日の衆議院予算委員会 経済対策・経済連携等についての集中審議における山田宏と各閣僚との質疑応答の映像、そして質疑応答の全文を公開しています。

■2013年2月28日 衆議院予算委員会 集中審議 山田宏の質疑応答

2013年2月28日の衆議院予算委員会、集中審議における山田宏と各閣僚との質疑応答の映像、そして質疑応答の全文を公開しています。

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