○山田(宏)君
おはようございます。自由民主党の山田宏でございます。本日も、日本の尊厳と国益を守る立場から御質問をさせていただきます。
今、三宅委員の方からも御質問がありましたの で補足的になるかもしれませんが、今日は提案型の質問をさせていただきたいと考えております。
両長官が今日、会談をされるわけです。茂木外務大臣がおっしゃられたように、日米同盟の重要性、重要なものというのを明かすあかしとなるような、最初の訪問地としてこの日本が選ばれたということは、これまでの御努力の成果と考えております。両大臣ともじっくり意見交換をしようと、こういう御答弁でございました。
そこで、私は、対中国に関して考えると、やっぱり対峙する覚悟のある者だけがきちっとした交渉ができると考えているわけです。対峙する覚悟がなければ交渉はだらしないものになる、だから対峙する覚悟というものが極めて大事だと、こういうふうに考えております。
そこで、今回の2プラス2は恐らく四月上旬に予定をされております首脳会談につながっていく大事な会談となると思うので、この機会に幾つか進めていただきたい点について御質問させていただきます。
一つは、防衛大臣。尖閣諸島が必ずテーマになります。今お話がありましたとおりです。日米安保条約の第五条の適用という表明はもう何度もなされています。これはこれで有り難いと思うんです。しかし、これだけ、このスローガンにとどまらず、やはり具体的な具体策、このスローガンを形にする具体策というものを今回は議論していただきたいと考えております。
例えば、今の尖閣諸島の状況を考えると、日米地位協定で定める米国射爆場になっている久場島、大正島で日米の共同演習というものを実施しようじゃないかということについても是非オースティン長官に提案をしていただきたいと思います。
もちろん、東シナ海でいろんな日米の演習をやっていることは私も存じ上げております。しかし、現在の尖閣の状況を考えると、その有効支配というもの、日本の有効支配というものをきちっと内外に明らかにするためには、また、その決意をきちっと明らかにするためには、やっぱりもう一歩進めていただきたいと、こう考えておりますけれども、防衛大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(岸信夫君)
まさに日本とアメリカは一緒にあるということをしっかり行動で示していくということは、これは必要なことなのかもしれません。
今お話がありましたけれども、自衛隊と米軍においては、これまでも尖閣諸島を含む南西方面において共同訓練を実施をしております。このような訓練によって、自衛隊の戦力、技術の向上、米軍との連携の強化を図ることができたほか、これらの取組を通じて地域の平和と安定に向けた日米の一致した意思や能力を示してきているものと、このように考えております。
本日行われます日米2プラス2における具体的な議論の内容については現時点では予断を持ってお答えすることは差し控えますが、中国を含みます地域の安全保障環境について意見を交わした上で、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた今後の協力等について協議してまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、防衛省としては、引き続き各種共同訓練を着実に積み重ね、日米同盟の抑止力、対処力を不断に強化するとともに、日米が共に行動している姿を示してまいりたいと考えております。
○山田(宏)君
私が提案したのは、久場島、大正島での日米共同演習を提案してほしいということなんですが、その件についてはどうですか。
○国務大臣(岸信夫君)
具体的には予断することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、そのような山田議員からの御提案もしっかり心に留めた上で、日米の抑止力、対処力を高めていくために何をすべきか、このようなことについて協議をして進めてまいりたいと思います。
○山田(宏)君
よろしくお願いいたします。
それでは次に、外務大臣にお伺いします。二月二十三日、国防総省のカービー報道官が、米国は尖閣諸島の主権に関して日本を支持しているということを発言されて、その翌日には、ウエブサイトで、いや、注を付けて、米国の政策には変更はないと。またその二日後には、カービー報道官自体が、発言は誤りであると、米国の立場に変更ないということで、アメリカは他国の領有権について、個別の領有権主張に対してはアメリカの立場は明確にしないというのが従来のスタンスでございました。しかし一方で、北方領土は例外的に、日本の領土としてアメリカは明確に立場をしているわけです。
そこで、尖閣諸島も日本領土として米政府が認めるということは、この海域の紛争抑止と安定化に私は資すると考えておりまして、カービー報道官のこの発言の行ったり来たりというのは、アメリカの政府が揺れているのか、それとも、むしろ余りしっかり考えていないのかというような印象を与えてしまったわけですけれども、我が国としては、尖閣諸島の領有権をアメリカに明確に立場をきちっと示してもらうということは、これは外交として大きなやっぱり大事なところだと、踏み外してならないところだと、こう考えております。
御案内だと思いますけれども、二〇一九年、アメリカの上下院においては、南シナ海・東シナ海制裁法案というのが、共和党、民主党の有力議員が名前を連ねて提案をしています。まだ提案中ということで、かかったままですけれども、読んでみますと、やはりアメリカは、今申し上げたように、他国の領有権主張については立場を明確にしないという伝統的な政策というものは変更すべきだとこの法案には書いています。その上で、その上で、中国は、東シナ海では日本が施政権を保持する尖閣諸島への領有権を主張して軍事絡みの侵略的な侵入を続けているが、米国としてはこの中国の動きを東シナ海の平和と安定を崩す行動として反対するということで、中国が言わば、はっきり言えば、中国の領有権の主張は認めないと言っているわけです。
つまり、アメリカは、議会ですよ、これは、議会はそこまで来ているというふうに考えると、政府、アメリカの政府について見ても、日本は不断に、この領有権についてはアメリカは立場を明確にしてほしいと、日本の領土とまで行かなくても、中国の領有権は認めないというぐらいの、この立場というものを鮮明にしてもらうように今回の会談を通じてもよく外務大臣の方からお話しになっていただきたいと考えているんですけど、御所見を伺います。
○国務大臣(茂木敏充君)
今日の午後に行われます日米の2プラス2の機会におきまして、東シナ海を含みます一層厳しさを増す地域の安全保障環境について議論をすると。これは、それに先立ちます外相会談でもかなり時間を掛けて中国の部分は議論することになると思うんですが、極めて重要かつタイムリーな会談だと考えております。
その上で申し上げますと、米国政府は、尖閣諸島に関する日本の立場を十分理解し、尖閣諸島をめぐる情勢については、我が国の立場に立って緊密に連携していく立場であります。御指摘の報道官の発言もありますが、日米安全保障条約第五条に基づいて尖閣諸島を含む日本を防衛するとの米国のコミットメント、バイデン政権発足以来、累次の機会に表明をされているところでありまして、米国は現状を変更するあらゆる試みに反対する旨表明していることからも明らかだと考えておりまして、こういったことを踏まえて、今日の日米外相会談、そして2プラス2に臨み、その結果を共同声明等の形で発出をしたいと考えております。
○山田(宏)君
外務大臣も御案内だと思いますけれども、フィリピンですね、スカボロー礁は、これはオバマ政権のときにはスカボロー礁は米比相互防衛条約の適用範囲内にあると、万一、しかるべきときはコミットメントを果たすと繰り返してアメリカ政府は発表していました。スカボロー礁はレッドラインだということまで言っていました。
ところが、二〇一二年四月から六月にかけて中国が軍事的に圧迫を掛けたときに、フィリピン政府がこの条約の第五条を適用してくれとアメリカに何度も何度も言ったけれども、結局、オバマ政権は軍隊を送ることをしなかったと。その結果、今、スカボロー礁も中国の下にあります。
こういったことを考えると、やっぱり、もちろん第五条適用と言ってくれることは有り難いことですけど、もう一歩、領有権の問題についても是非議題に上げていただきたいと思いますけれども、外務大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君)
山田委員の御意見は御意見として重く受け止めさせていただいて、しっかりと交渉に臨みたいと思います。
○山田(宏)君
是非お願いいたします。
それから、先ほども三宅委員の方からお話がありました台湾問題について一点伺いたいと思います。
台湾は、日本の安全と繁栄にとっては致命的に重要な場所だというのは、岸大臣はもうずっと台湾との関係も大事にされてこられまして、よく分かっておられるんですけれども、是非日米間で、今回の防衛相会談においても台湾防衛についても具体的に意見を交わしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(岸信夫君)
まず、台湾が位置をします東シナ海においては、我が国の南西諸島とユーラシア大陸に挟まれ、その沿岸国として経済面等で地域、国際社会に大きな影響力を有する我が国や中国が存在をしているところです。このような特徴を踏まえますと、台湾をめぐる情勢の安定というものは、南西地域を含む我が国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても大変重要なものであると、このように考えております。
その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が格段に厳しさを増している中で、同盟国たる米国との間で地域の情勢について意見交換を行うことは大変重要であります。本日の日米2プラス2、また防衛相会談においてもしっかり意見交換をしてまいりたいと思います。
近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、中台の軍事バランスが全体として中国側に優位な方向に動いておりまして、毎年その格差というものが広がっていると、このように考えております。
台湾をめぐる問題については、我が国としては、基本的立場としては、当事者間の直接の対話により平和的に解決されること、地域の安定に寄与することを期待するという立場ではありますけれども、いずれにしましても、いかなる事態においても我が国の領土、領海、領空をしっかり守っていくこと、そして国民の命、平和な暮らしを守り抜くということは政府の最も重要な責務であります。
引き続き万全を期してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○山田(宏)君
台湾の方は、多分アメリカからも話が出るとは思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
最後にもうなってしまいました。まだ質問があったんですけれども、ちょっと時間があと二分ということになります。最後に外務大臣にお聞きをいたします。
今回、2プラス2、また外相会談でも何らかの記者会見なり共同声明なども発表されるんではないかと、こう思っておりますけれども、もしそういうことであれば、必ず、今回、台湾による、力による、台湾の力による現状変更ですね、というものについては断固反対するということを是非その声明や発表の中に盛り込んでいただきたいと考えておりますけれども、いかがでございましょう。
○国務大臣(茂木敏充君)
本日の日米外相会談、そして日米の2プラス2の共同発表等につきましては、本日午後の日米2プラス2等の結果を踏まえて発出をする予定であります。まさにこれから議論するんで、この段階でどういう発表にします、これは当然決められないわけでありますが、捕らぬタヌキの皮算用と、こういう言葉がありますが、これをポジティブに言いますと、結果を見てから笑えと言います。
○山田(宏)君
私は、共同声明の内容を言いましたけれども、そういう方向に向けて努力をしていただきたいと、こういうお話をしたわけです。是非期待しておりますので、よろしくお願いを申し上げて、時間となりましたので終えたいと思います。ありがとうございました。