○山田宏君
自由民主党の山田宏でございます。
今まで議論をお聞きしておりまして、一点だけ、まず最初に法制局長にお聞きをしておきたいんですが、五十四条の解釈として、四十日以内に、衆議院解散されて四十日以内に選挙、そして三十日以内に召集ということの中で、七十日の中で初めて緊急集会開かれると、さっきも質問ありましたけれども、それを超えた場合の緊急集会というものは基本、通説では考えられない、想定されていないので開けないと、こう解釈をしていいんでしょうか。
○法制局長(川崎政司君)
お答えいたします。
憲法学者はその点についてはっきりと議論をしていないところがございまして、そういう意味で通説がどう考えているかというのはなかなか難しいところがございますけれども、七十日を超えて緊急集会をすることができないという議論においては、緊急集会のその例外性、限定性、一時的なものであるというその性格から、憲法は想定していないという議論がなされているところでございます。
○山田宏君
つまり、何も定まっていないと。その時々で考えるしかないと。
もし、七十日を超えて、もうずっと百日、二百日続いた場合ですよ、緊急の危機の場合、そのときに、その緊急集会を内閣が招集した場合、国内ではそれは違憲じゃないかというような議論、合憲じゃないかという議論があって、開くことすらもう大変なやっぱり問題に直面するんじゃないかと、こういうふうに思います。
そのときに、開けなかった場合、今度は一体どうやって緊急の予算を上程するんだという問題が起きてきますから、やはり、これ、ほっといて解釈でやりゃいいんじゃないかというのは余りにも乱暴過ぎる、私はそう思っております。
やっぱり、危機は我々の想定したとおり来ないんですよ、それが危機なんだから。七十日で終わるなんてあり得ない。大体、もう最悪の事態を想定するのが政治家の仕事でしょう。最悪の事態、つまり、衆議院も参議院も直下型地震でもう全く開けない、又は戦争になってしまって全く開けない、こうなったとき、一体どうするんですかね。緊急集会もへったくれもないよね、これ。
だけれども、そうなったときに、やはり早めに人命を救わなきゃいけない。先日、二〇〇四年の、私の杉並区長時代の中越地震の経験を申し上げましたけど、もういざ危機というときは早く行動していかないと人命は救えないんですよ。だから、迅速性が大事で正確性は後なの。だから、そういった意味でいえば、迅速に行動していかなきゃいけないときに予算も立てられない、それから新たな法令も作れない、こんなような事態で本当に人命を救えるのと。直下型地震のときはどう、日本が戦争に巻き込まれてしまったときはどうと、そういうときに、人命を救っていく、これを最優先にする政治がやっぱり行われなきゃいけないときに、そのときを想定してちゃんとレールを引いておかないと、いざというとき対応ができないと私は思います。
そういった意味では、今まで何人かの委員さんがお話しになったように、当然、最悪の事態、つまり、衆議院、参議院がもうぶっ潰れて、誰もこれ立ち上がれなくて、行えないときに、政府は何らかの対応をしなきゃいけないときに予備費も作れないって、そうなってしまったら一体どうやって予算を執行するんですか。その場合は、やはり政府が国会に代わって当分、当分の間、必要な予算措置をとる、つまり緊急財産措置、処分、そしてまた法令をきちっと政府が定める緊急政令、こういったことをするのは当たり前のことじゃありませんか。
やはり、そういった国民の生命をまず第一に救うのであって、憲法を守って国民の命が失われるなんというのはね、逆ですよ、それは。だから、そういった意味では……(発言する者あり)静かに聞きなさい。そういった意味では、このまま行くと超法規的措置の連続になりますよ。
一九七九年か、ああ七七年か、ダッカで赤軍が日本航空の飛行機を、あれですね、ハイジャックしたときに、彼らの要求ですね、賠償金を出せとか、ああ、身の代金を出せとか、又は刑務所に入っている自分らの仲間を外へ出せとか言ってきましたよ。そのときに、当時の首相は、人命は地球よりも重いとか言って全部要求のんじゃったわけですよ。
こんなような超法規的な措置を連続させるということになりますよ。そういったことが二度と起きないようにしていくためには、我々立法府があるんじゃないかと、こう考えております。
そういった意味では、是非前に議論を進めてほしいと。人命を救うことが先、憲法はそれに合わせる、これが私は原則だと考えております。