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当記事は、2020年3月3日 参議院予算委員会の質疑応答についての議事録を転載しております。掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載はご遠慮下さい。

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2020年3月3日 参議院予算委員会 山田宏の質疑応答全文
○山田(宏)委員

 自由民主党・国民の声の山田宏でございます。

 本日も、同僚の青山繁晴議員にもパネルの御協力をいただいて、日本の尊厳と国益を守る立場から質問をさせていただきたいと思います。

 私の質問は四つです。

 一つは、今回の中国武漢発の新型肺炎。これを私は武漢肺炎と呼んでいます。なぜ呼ぶかというと、この肺炎について、新型コロナとかほかのCOVID―19 とかこういう言い方をすると、どこが発症したか分からなくなる。現在、中国の新聞等を見ておりますと、武漢がその発症源ではないというようなことも書いてあったり、又は、世界にこれだけ蔓延したのは日本と韓国の対応が悪いからだというようなことを言わんばかりの論調が目立ってきたと。

 こういうような状況で、名前を新型コロナということで曖昧にしてしまいますと、どこにどう原因があったかの究明が忘れられてしまう。

 私は、そういった点で、武漢肺炎と今回言わせていただきながら、この問題が第一。

 二つ目は、習近平国家主席の国賓来日について御質問します。

 この点につきましては、これまでも委員会等でも申し上げてきたように、現状の中では習近平国家主席の国賓としての来日は断固反対であると、こういう姿勢を明確にしてまいりました。この点についての総理の御所見を伺っていきます。

 第三番目、これは、人生百年時代において健康寿命を延ばしていくというために何が必要かと、それを考えたときに、私も杉並区長時代にすごいやったんですよ。その中でたどり着いたのが、口の中の健康。やはり口は体の健康のもとだということを基にした、やはりこれまで高校で終わっている歯科健診をずっと、ずっと毎年、全国民が受けられるようにするということが大事だというのが三番目。

 四番目は、少子化対策。もう国も、去年の幼児教育の無償化を始めとして、少子化対策といいながら、やっぱり、子育てサービスというものが充実されてきたけど、それがすなわち少子化というものの対策につながっていないということで、私なりに、これも区長時代に悩んだことを踏まえながら、もっとインパクトがあって、分かりやすい、国の姿勢が明確な案があるんじゃないかということで、最後に御提案をさせていただきたいと思います。

 それでは、まず武漢肺炎についてお聞きをいたします。

 私、マスクがなくなりまして、日曜日に買いに行きました。十時からの薬屋の開店に向けて早めに行ったんです、五十分前に行った。もう二、三十人並んでいた。そして、その後ずっともう八十人ぐらい並んでいる。整理券配って、一人一箱ですよということで、まあ整理券はもらえた。そして、入ってみると、今度は長蛇の列ですよ、会計のところでね。そして、長蛇の列でこれを持って、一個、一箱。でも、もらえない人がいっぱい出た。

 みんな店員に文句言っている。店員さんもかわいそう。もらえなかった人もかわいそう。ひどい状況になっているんですよ。

 こういう状況になっているという、これ毎日ですよ、毎日開店前に列ができるんですよ。これ、御存じですかね。

○国務大臣(梶山弘志君)

 私も連日、役所に出勤する途中にそういう列を何度も見かけておりまして、また、家族の者からも聞いております。

○山田(宏)委員

 そこで、経産省の、経産大臣の経産省のこのマスク等についての状況というウエブサイトを見ると、マスクや消毒液の状況は、一言、不足を解消するために官民連携して対応中です。

 対応中って、なってないじゃん、これって、みんな言っていますよ。

 一体これ、しかも、中へ入ると、トイレットペーパーもすぐなくなる。ティッシュもなくなる。こういう状況になっている。取り合いになっちゃう。もうすごい、列の間から入る人が出たり、もう大変な状況なんです、現場は。

 私は、まあこれ、何とか、トイレットペーパーは不足していませんと書いてあるんですね、これ。

 需要を満たす十分な供給量、在庫を確保しています、安心して落ち着いた行動をお願いしますと。

 お願いしますといっても、なってないんです、これ。みんな必死だから。これもっと、こんな、こういうことを書くだけじゃなくて、こんなにありますよって東京ドームにどんと積んで、そして、ここからもうどんどんやりますからって、これぐらいやらないと分からないんです、これ。もう迷惑しているのは買いに来ている人なんだから、十分にあるならそれぐらいのことをやりませんか。

○国務大臣(梶山弘志君)

 今、経産省のホームページで状況について説明をしておりますが、委員おっしゃるように、見てすぐ分かるようなその表示というものも必要だと思いますので、これから考えてみたいと思っております。

 マスクについては、国内の生産者に増産をお願いをしておりまして、今まで一億枚なかったんですけれども、一億枚を超える水準になってまいりました。ただ、医療従事者、また事業者からの必要性という部分もあって、まだ行き渡っていないのも現実であります。

 こういったことをしっかりと行き渡らせるような努力をしてまいりたいと思いますが、その一方で、ネットで高額な販売もしている。こういったものには、ネット事業者に対しまして、オークションや電子商取引での販売について今要請を行ったところでありまして、特にネットオークション、出店自由なものに関しましては、転売目的での買占めを防止するために三月十四日以降の出品の自粛を要請をしました。また、電子商取引につきましては、三月十四日以降の小ロット、例えば十枚であるとか一箱であるとか、そういった形での販売の方法というものも依頼をしたところであります。

 今トイレットペーパーは国産で十分に足りているということなんですが、今、先ほどおっしゃったような形で、どう見える形で皆さんに納得いただけるかということを考えてみたいと思っております。

○山田(宏)委員

 よろしくお願いします。

 アマゾンのネットを見ると、マスク、昨日の段階で五十枚入り一万八百円、六十枚入り一万九千八百円、三十枚入り一万三千九百八十円。こういうものを出しているわけです。

 本当にこんな状況で薬屋さんに並んでいるわけです。薬屋さんも怒られているわけです。

 やはり一体どういう状況で、増産しています、ありますと言ってもいいんだけど、ちゃんと行き渡っていないんだから、ちょっといろいろ工夫してもらわないと、こういうこと、すごく大事なんですよ。ですから、今大臣からそういうお話があったんで、きちっと国民各人にちゃんとマスクが届くように、小まめに定期的に調査して必要な対策を取ってください。これは要望にしておきます。

 次に、ちょっとパネルを出していただいて、ちょっとダイヤモンド・プリンセス号についてお聞きをしておきたいと思います。(資料提示)

 これ、今この表を出しましたけれども、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客全員が三月一日に下船が終わりました。

 そこで、一つ、これ厚労省から取った表なんですけれども、皆さん見ていただくように、乗員がブルー、乗客が赤、ダイダイ、これ発症数ですね。

 ずっとこう、一番多いのは二月七日なんですが、これ入港したのは三日なんです、日本に入港したのは三日。二月二日の日にはまだ船の中でダンスパーティーが行われているんです。二月一日、二月一日に香港で降りた人、この人が発症しているということが判明する。こういった確認されているにもかかわらず、二月二日にはダンスパーティーが行われて、そして二月三日に日本に入港と、こういうことになったわけです。

 私は、これ一体、このプリンセス号というのは、船籍は英国、運営会社はアメリカ、そして日本にたまたま来たと。これどこが、どこがこれ一体この感染対策をする義務、権限があるんでしょう。

○国務大臣(茂木敏充君)

 クルーズ船、大型観光船の衛生面を含みます安全確保につきましては、第一義的には船舶の運航者、この場合はアメリカになるわけでありますが、が責任を負うべきものであります。

 一方、旗国、今回の場合はイギリスになるわけでありますが、この責務につきましては、国連海洋法条約には、いずれの国も、自国を旗国とする船舶に対して、行政上、技術上及び社会上の事項について有効に管轄権を行使し及び有効に規制を行うと、こう定められております。

○山田(宏)委員

 日本に義務はあるんですか。

○国務大臣(茂木敏充君)

 日本の場合、沿岸国でありまして、当然、日本の内水、そして横浜港に寄港するということで、日本の法律は及びます。

 しかし、日本にのみこういった拡大防止の措置をする義務があるというわけではありません。

 更に申し上げますと、この旗国、そしてクルーズ船の運航国、さらには沿岸国、どこに一義的な責任があるかと、こういったことは国際法上明確には定められておりません。

○山田(宏)委員

 国際法上明確じゃない中で、日本もこの武漢肺炎の問題でがたがたして人員を割かなきゃいけない、そういう中で、日本が自ら火中のクリを拾ってこのダイヤモンド・プリンセス号の防疫対策を行ったわけです。自衛隊も入りました。

 こういったことをやりながら、一方で、今お話にあったように、アメリカとかイギリスとか、一体どういう協力をしてくれたんでしょう。

○国務大臣(茂木敏充君)

 おっしゃったように、今回のクルーズ船の対応、我が国のみに拡大防止の措置義務があるわけではありませんが、日本の内水であって日本の主権が及ぶ横浜港ということで、検疫上の必要性から日本自らとして行ったということであります。

 先日、イギリスの外務大臣とも外相会談を行いましたが、その際も、日本のオペレーションについてはしっかり行ってもらったと、こういう言葉がありましたし、また、日本とイギリスの間でも、こういった問題についても今後協力したいと、こういう考えで一致をいたしております。

○山田(宏)委員

 初めての問題ですからなかなか難しいとは思うんですけれども、こういったことは本来、今からこれ、今はこれ非難しているんじゃなくて、本来、やっぱりアメリカやイギリスにも入ってもらって対処チームをつくる。又は、そこまでいかなくても、まずは日本だけの問題じゃないんだから三か国で相談をして、これは日本に任せますよということを英米が委託、依頼するという形で記者会見をしてから始めた方が、もう世界中から日本の対応がどうだこうだこうだと、こう非難がすごく多かったわけです。

 ですから、最初は、本来はそうやっておいた方がよかったんじゃないかなと、こう考えるんですけれども、どうお考えですか、外務大臣。

○国務大臣(茂木敏充君)

 今後の対応については、今回の経験も踏まえて、様々な関係国の間でどういう連携体制を取っていくかということについては検討する必要があると思っております。

 外国のメディア等で、当然、何というか、外国籍の乗員の方等々のインタビューであったりとか御意見を聞いて、様々な意見はあると思いますが、少なくとも、旗国であったり、クルーズ船の運航国、さらにはそういった乗員乗客の多い国、それから日本のこのクルーズ船のオペレーションについて何らかの形で苦情があったということは承知をいたしておりません。

○山田(宏)委員

 これからそういう対応も是非検討しておいていただきたいと思います。

 それでは、総理が学校の臨時休校を発表されました。昨日までの議論を聞いておりますと、いろいろ意見があるのは当然だと思います。

 私は、全体的にはトップリーダーとしてやるべき判断をなされたというふうに評価をしております。私も、杉並区長時代、最後は自分が判断しなきゃいけないという場面は何度かありました。そのときには批判も受けましたけれども、これはなるべく早くきちっと判断をされて、その後、いろんな問題について対応するということでよろしいと思います。

 それまでの議論を聞いておりますと、確かに学校だけ閉鎖して、じゃ、保育園はどうなんだと、保育園はもっとリスキーじゃないかと、こういう議論はありました。じゃ、保育園もそのまま休園にすべきと言うのかと思えばそう言わないし、じゃ、保育園を休園にしないんだったら、学校はもっとリスクが低いんだから学校は休校対策は間違っているんじゃないかと言うんだったら、またそれも一つの意見だと思うんですけど、ああでもない、こうでもない、どうでもないと、どっちへ行くのかさっぱり分からないというような話で、国民の皆さんも聞いていて分からないんじゃないかと。

 最後は自治体に任せるべきだと。私も自治体の長やりましたけれども、こういう緊急の大変な危機のときに自治体にお任せしますって、やれるところもあるけれども、やれないところも出てくるんですよ。国が一定のやっぱりガイドラインなり要請をしていくというのは、総理が火の粉をかぶってもやられるというトップリーダーの役割だと、こう私は思っております。

 そういった中で記者会見されました。ああいう形で、もう今危機ですから、総理はやっぱり定期的に、どこかお昼の時間でもいいですから、今こういう状況です、こういうことですということを生放送で、生放送ですよ、記者会見をやると切り取られますから、だから生放送でそういう時間を持たれたらどうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 今委員が言われたように、まさに首相として国民の皆様にしっかりと、どのような対策を取っていくのか、どのように認識をしているのかということを発信すべきだという御意見をいただきました。まさにそのとおりなんだろうと思います。そういう思いで、先般、小中高、そして特別支援学校を休業にするという判断についてお話をさせていただき、今がどういう時期を迎えているのか、その中でどのような考え方の下にこういう判断をしたのか、どういう対策を行っていくかということについてお話をさせていただきました。

 この会見においては、まさにライブ配信も行い、リアルタイムで国民の皆様に政府の今後の対応や国民の皆様へのお願い等について丁寧に御説明をさせていただいたところでございますが、同時に今、厚生労働大臣や関係閣僚も、私の指揮の下、適切なタイミングで報道発表等を行っております。

 今後も、政府として、国民の皆様が安心できるように、様々な媒体を駆使しながら随時適切な情報発信に努めていきたいと、こう思っております。

 例えば、米国の大統領は執務室から直接国民の皆様に、これは会見という形、記者会見という形ではございませんが、直接訴える演説を行ったりしておりますし、古くはルーズベルト大統領の炉辺談話というものもございました。私自身も、国民の皆様に直接語りかける必要があるときには、そうした手法等も工夫をしながら適切に丁寧に情報発信を行っていきたいと、こう考えております。

○山田(宏)委員

 もう厚労大臣のレベルじゃないと思うんです。やはりこれだけの国家的危機ですから、総理の顔が見えないといけない。そのためには、やはり定期的にですね、まあ執務室がいいのかは分かりませんけれども、やはりきちっと生放送で、十分でもいいですからお話しになって、そして協力を呼びかけていただく、この間みたいにですね、そういうことをしていただきたいと要望を申し上げます。

 それから、学校は休校したんだけれども、この感染が拡大している他の外国からですね、そこからの流入者というものについてはまだ完全に閉じられていないと。これはちょっとバランスを欠いているんじゃないかと考えていまして、そういった点で、例えば中国ではいまだに日本は湖北省と浙江省と二つに絞られている。でも、中国全土に拡大している。なぜ中国全土にその入国制限を掛けないのか、この辺がよく分かりません。韓国も全部広がっていますね。

 今後、そういうところについてやはりきちっと入国制限を全土に掛けるということを今からでも決断してほしいんですけれども、その点についての総理のお考えを伺います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 政府においては、これまで、新型コロナウイルス感染症が蔓延している地域から来訪する外国人や、感染症が発生する、しているおそれのある旅客船に乗船する外国人について、入管法に基づいて入国拒否の措置を講じるなど、徹底した水際対策を実施をしてまいりましたが、中国については、感染の中心地である武漢市を含む湖北省を二月一日に対象地域としたほか、十三日には浙江省を追加したところであります。また、韓国については、感染者数の増加が顕著である大邱広域市及び慶尚北道清道郡を二十七日に対象地域としたところでございます。

 確かに、中国全域、韓国全域を対象にすべきではないかという御意見があることは承知をしておりますし、今日は山田委員と青山委員が二人並んでおられますから、そういう強い気持ちが伝わってくるところでございますが、しかし、この感染状況が時々刻々と変化をする中において、どの地域を入国拒否の対象地域とするかについては、政府として、今後も感染者数や移動制限措置の動向等もしっかりと分析をしていきたいと、そして機動的に措置を講じていきたいと、こう考えておりますが、必要であればですね、必要であれば、これは何よりも国民の健康、暮らし、命を守ることを最優先に判断したい、外交的なですね、外交的な配慮等ではなくて、必要であれば決断をし、ちゅうちょなく実行していく考えであります。

○山田(宏)委員

 今総理、外交的配慮なしで決断すると、必要があればですね、そういうお話でございました。

 外交的配慮というのは、今新聞等でも書かれているように、習近平主席の国賓来日なども控えてたり、そういったこともあってやらないんじゃないかという批判も出てきているという状況の中できちっと、私はなるべく早くやってもらいたい。

 それは、やっぱり日本と韓国だけが中国全土じゃないんですね。やっぱり、台湾、米国、シンガポール、オーストラリア、ロシア、みんな中国全土からの入国制限をしているわけです。で、なぜ日本がしないの。しないから、今度は日本はまた感染拡大地域としてほかの国が日本からの入国というものを規制していくという、そういうきっかけになるんじゃないかということを気にしておりまして、そういうことを考えると、速やかに中国全土へのこの適用と、入国禁止の適用を求めたいと、こう考えております。

 そもそも、今回の武漢肺炎なんですけれども、十二月八日に初めての患者が武漢で見付かったと言われています。そして、十二月の末には、亡くなられた李文亮医師を含めた八名の医師の人たちが、これはおかしいということをネット上でも警鐘を鳴らしました。しかし、これらの八人の方は、デマを流したといって中国政府から摘発をされて処分を受けたんです。その後、中国が初めてこの武漢を閉鎖し、これは人から人への感染があると認めたのは一月二十日です。もう最初の患者から四十日ぐらいたっちゃった。その間に武漢からたくさんの人たちが出ちゃっている。

 私は、しかも、武漢市長は一月二十七日に、事もあろうが、情報発信が遅れたのは上層部から許可しなかったからなんというような記者会見をしていると。とんでもないですよ、これ。これは人災じゃないですか。これは隠蔽ですよ、はっきり言って、あの国特有のですね。そういうことが世界中の蔓延の原因になったわけでしょう。

 私は、そもそもそういう中国が、そういう隠蔽体質が世界的な蔓延を招いたのではないかと考えておりますけれども、御所見を伺いたいと思います。

○国務大臣(茂木敏充君)

 確かに、初期段階におきまして、これは中国の全体的な、何というか情報の発信、これは少なかったとは思っております。私も、王毅国務委員・外交部長との会談におきましても、透明性を持って正しい情報を是非、日本に対しても世界に対しても提供するように要請をいたしております。

○山田(宏)委員

 ちゃんと答えられないという状況なんでしょうけれども。

 じゃ、もっと別の観点で、中国政府がWHOにこの公衆、あっ、ちょっとWHOの憲章をちょっと読ませていただきますけれども、WHOの、世界保健機関の憲章二十一条では、保健総会は次の事項に関する規則を採択する権限を有する、(a)、疾病の国際的蔓延を防止することを目的とする衛生上、検疫上の要件及びその他の手続というものに関する規則を定めている。

 その規則の内容が、第六条、通報、国際規則です。自国領内で発生した事象をアセスメントしなければならない、公衆衛生上の情報をアセスメントした後二十四時間以内に、法定手続に従い、自国領内で発生した国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成するおそれのある全ての事象をWHOに速やかに報告せよと書いてある。

 これ、中国、報告したんですかね。報告したのはいつでしょう。

○大臣政務官(小島敏文君)

 お答えいたします。

 国際保健規則において各国に通報が義務付けられているのは、潜在的に、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成するおそれがある全ての事象であり、そのアクセス、アセスメントを行った後二十四時間以内にWHOに通報することが定められております。

 今般の事案に関しましては、昨年十二月三十一日に、中国政府がWHO中国オフィスに対しまして、武漢で集団発生した原因不明の肺炎について報告があったと承知をいたしております。

○山田(宏)委員

 昨年の月末、十二月の末に報告しているということですけれども、それからきちっと国際社会に発表するまで二十日ありましたね。その間はきちっと発表しなかった。この医師たちも摘発、処分している。こういうようなことが私はこの国際的な蔓延をもたらした大きな原因だと、こういうふうに見ているんですね。

 こういったことを踏まえながら、習近平国家主席の来日問題が今報道されております。この習近平訪日の、習近平主席訪日の延期を検討しているんじゃないかという新聞報道が各紙で報道されておりますけれども、これは延期を検討しているんですか。

○国務大臣(茂木敏充君)

 外交日程でありますので私の方から答弁をさせていただきますが、習近平国家主席の国賓訪日につきましては、先週の日中外相電話会談や楊潔チ政治委員の訪日の際にも議論をいたしました。今日時点で習主席の訪日予定に変更はないものの、中国国家主席の訪日、前回、二〇〇八年でありました、大体十年に一遍ということでありまして、十分な成果を上げるものとする必要がありまして、この観点から引き続き日中間で緊密に意思疎通をしているところであります。

○山田(宏)委員

 微妙な言い回しで、まあ今日時点ではということですから、まあ明日は分からぬということですよね。

○国務大臣(茂木敏充君)

 今日時点、今日時点ではと申し上げました。

○山田(宏)委員

 先ほどもお話がありましたように、毎日、尖閣諸島に対して中国の機関砲を持った公船がやってくる。全然変わらない。そして、領空も侵犯する。邦人拘束問題も何ら動きがない。さらに、世界が関心を持っている香港、ウイグル、チベット、南モンゴルにおける人権弾圧、これも何ら動かない。こういったものの中で我々は習近平主席の国賓としての訪日というのは今やるべきでないということをお話をしてきました。

 しかし一方で、外務大臣は、こういった中でそういう歓迎される環境を整えるように努めてくるんだということでしたが、環境は整いつつあるんでしょうか。

○国務大臣(茂木敏充君)

 二〇一八年には首脳、外相間の相互往来が実現する等、日中関係は正常な軌道に戻っておりますが、同時に、日中間には今、山田委員の方からも御指摘いただきましたような様々な懸案が存在するのも事実でありまして、こういった懸案の解決に向けてもハイレベルの往来を通じて、主張すべきはしっかりと主張して中国側の前向きな対応を強く求めていくことが重要だと考えておりまして、昨年も、北大の教授の拘束事案に関しましては、ちょうど即位の礼の際に王岐山副主席いらっしゃいまして、総理からも私からも強く申し入れて、解放ということになったわけでありますが、一つ一つ日本の立場をしっかりと相手側に伝え、前向きな対応を引き出していきたい、こういう環境を整えてまいりたいと考えております。

○山田(宏)委員

 外交ですからね、話し合って何か変わるというのは、その前に変えざるを得ないような環境になっていないと変わらないわけですよ。

 だから、話し合えば変わるというのは全く違うんですね。

 それで、一つの例を申し上げたいと思いますけど、ちょっと長くなりますが、一九九二年に天皇訪中がありました。このときは、中国側からの再三再四の要請があって、つまり、国交正常化二十周年ということで是非天皇陛下に訪中していただきたいということで、当時宮澤内閣、このときに再三あって、国内では国論が二分したんです。これは、この国会の議論を見ていても、自民党内も二分しているんです。

 その中で、政府側の姿勢というのはどうなっているかというと、例えば、当時の外務大臣である渡辺美智雄国務大臣は、是非、過去の問題を一切ここでもうきれいにして、日中関係、一層前に進めていきたいと、こう言っているわけです。さらに、当時の官房長官、加藤紘一官房長官は、アジアで二つの国が相対峙するというようなことはアジアの平和、世界の安定のために資することにはならないと。したがって、この二国はいろんな努力、あらゆる努力を通じていい関係になるように努力しなければならない。それぞれ主張が違ったり、国の成り立ちも違いますから、政策的な主張の違うところが出てくると思いますが、率直に問題を言い合わなければならないと。

 そして、もう一つ、渡辺美智雄外務大臣は、挙げて中国においても日本においても非常に祝福されるような雰囲気の中で訪中されることが一番望ましいわけでございまして、そういうような環境づくりのために努力したいと。

 今と同じじゃないですか、全部、言っていることが。そのときの政府側の主張をまとめると、訪中で過去の問題に幕を下ろし、日中関係を前進させたい、日中が対立するアジアの世界、日中が対立することはアジアと世界の平和にマイナスであり、両国の主張の違いがあっても率直に話すことが重要である、訪中が日本国民にとって祝福されるような環境をつくるために努めたい。今の政府の答弁とほぼ一緒です。

 じゃ、どうなったか。その天皇訪中を反対があるにもかかわらず押し切った結果、どうなったか。

 一九九四年、江沢民主席は、愛国主義教育実施要綱を策定して徹底的な反日教育を行った。小泉総理の靖国参拝や日本の常任理事国入りに反対して、中国全土で反日デモや日本企業に対する破壊行為を行った。二〇一〇年には尖閣諸島で漁船の衝突事故を起こし、二〇一二年には香港の活動家たちが尖閣諸島に上陸した。むしろ悪くなっているんです。

 我が国の友好という思惑とは裏腹に、中国は友好どころか、逆に反日デモ、侮日暴動、さらに、尖閣諸島など我が国領海、領空への侵犯や挑発行動等をエスカレートさせながら今日に至ったんじゃないですか。天皇訪中、何にも役に立たなかったじゃないですか。役に立ったのは、その訪中で突破口となり、天安門事件に対する世界の経済制裁がなし崩しになり、中国の外交的勝利への道筋を開いただけに終わりました。

 そこで、総理に伺います。一九九二年十月の天皇訪中の結果を、安倍総理はどのように評価をされているでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 この一九九二年の十月の上皇陛下、天皇陛下としての御訪中だった、天皇皇后両陛下の御訪中であったわけでございます。

 そのときに、山田委員がおっしゃったように、まさに当時の自民党の中においても党内の世論は二分をいたしました。今この内閣に入っております衛藤一大臣も当時、論陣を張っておられました。どちら側かというのは大体これは想像が付くんだろうと、こう思いますが、その結果について一つの見方をお示しをされたんだろうと思いますが、まさに天皇陛下の御訪中でありますから、日本にとっては極めて重要な出来事だったわけでございますし、日本としては最大限の、当時の中国が置かれている情勢に鑑み、最大限の善意を示したということだと思います。これは、日本として、中国の隣国として共に歴史を刻んできた国として、日本は日本の姿を示したということだと思います。

 その結果、本来であれば、日中間において歴史問題を含む様々な課題について、これは両国において新たな定義がなされないか、そういう期待もあったのも事実だと思います。しかし、残念ながらそうでは、そうなってはいないのではないかということについて、今、山田委員から御指摘もありました。

 そこで、どのように評価するかということでございますから、天皇陛下の、天皇皇后両陛下の御訪中でございますから、それについて私が直接コメントすることは差し控えたいと、こう思っているところでございますが、同時に、そういう政治的な判断をする以上、その結果についてはしっかりと分析をしながら、その結果どうなっていたか、今後の外交に生かしていく必要はあるんだろうと、こう思う次第でございます。

 日中は隣国でございますから、様々な課題があります。そして同時に、国際社会においても、中国をめぐる様々な今例として挙げられた課題があるのは事実であります。当時の中国と今の中国が違うのは、まさに世界的な大国となっているということであります。世界的な大国になった以上、今挙げられたような問題に対してきちっと国際社会の期待に添う行動を取る大きな責任が生じているということではないかと、こう思っているわけでございまして、日中両国は共に大きな責任を有しているというのはそういうことでもあるわけでございまして、訪中が、あっ、訪日が実現すれば、そうした責任を果たしていくということをしっかりと明確に内外に示していく機会にしたいと、このように思いますが、いずれにいたしましても、主張すべきことは私はしっかりと主張してまいりましたし、これからも主張していきたいと、こう考えております。

○山田(宏)委員

 私は心配しております。天皇訪中の結果があれでしたから、よく注意をしておかなきゃなりません。そのことは恐らく安倍総理も百も承知なので、それはお話、心の中に持っておられるとは思うんですね。

 私は、このまま何の変化もなく国賓来日が実現しちゃった場合、今まで我が国と中国との間に掲げている問題が、ああ、もうこれはこれで一つ区切りということで既成事実化してしまう、そして、またそこから問題が生じる、こういうことにつながるんじゃないかと。つながらないならば、やはりまずはそういった我々の間にある問題を中国が解決をして、そして、それが一定の前進を見た後こういった問題について考えていくという必要があるんだと思います。

 延期するかどうか、今日の時点では言えないということですから、明日以降大いに期待をしておりますけれども、しかし、延期だけではなくて、これは無期延期なんだと、無期延期にして、向こうが態度を変えてきちっと物事を解決するという姿勢を示してから物を進めないと、一九九二年のときと同じような状況になってしまうんじゃないかということを心配をしております。

 是非、習近平氏の来日の最低条件は、長年の懸案に実が上がったということがはっきりしてから改めてそういうことを考えた方がいいと考えておりますが、御所見を伺います。

○国務大臣(茂木敏充君)

 山田委員のお考えはよく理解いたしました。

 その上で、先ほど総理の方からもありましたように、一九九二年当時、中国のGDPは世界の三%でした。これが今、一六%を超えるという、これだけ経済的にも大きな国になっているわけでありまして、まさに日本と中国が共に大きな責任を果たしていく、こういったことを確認する機会というのは必要だと思っております。

 同時に、三十年前、私の大先輩であります渡辺美智雄外務大臣の時代でありますが、国際社会でいいますと地球規模の課題とか二十一世紀型の新しい通商ルール、こんな議論はなかったわけでありますけど、そういう切迫した大きな課題が今目の前にある、こういったことについてもしっかりと議論をする、そして方向性を見出すということは極めて重要だと考えております。

 その上で、今日時点では予定には変更はございません。

○山田(宏)委員

 今日時点というのは四回目聞きましたので安心をしておりますけれども、是非、タフネゴシエーターとして国際的に評価の高い茂木外務大臣の国益に向けた手腕を大いに期待をしておきます。

 さて、この武漢肺炎ですけれども、個人個人で気を付けるべきことは、やっぱり手洗い、消毒、うがい、マスク、こういったことだと思います。

 私も、杉並区長時代、ああ、手洗いとか口の中をきれいにするのはすごい大事だなと思ったことがあるんです。

 それは、杉並区の区立の小学校四十八校のうち七校に、各フロアにピンクとか緑の洗面台を付けて、そして、そこでブラッシング指導をさせたんです。そうしたら、その翌年のインフルエンザが猛威を振るったときに、この七校と残りの四十一校の学級閉鎖率が全然違ったんです。残りの四十一校はもう学級閉鎖率八割、ところが、この七校は、昼間こうやってくちゅくちゅとやるだけなんですよ、なのに半分なんです、閉鎖率が。口の中をこうやってやるだけでインフルエンザが減って、掛かる医療費が減ったんです。

 これだけのことでも大分違うなと、こう思ったので、それ以後、やっぱり口の中をきれいにすることが健康に直結するんだという信念を持って、それだったら歯科健診もちゃんとやってもらおうということで、クリーニング付き、クリーニングをしてもらって、歯科健診だけなかなか行かないんですね。だから、行ってもらうというようなことをやりました。

 ちょっとグラフを、この歯科健診と医療費の関係、これは前も、三年前に総理にお話をしたんで、ちょっと簡単に国民の皆さんに見ていただきたいんで。

 まず、下、デンソー、これはこの間出さなかったんですけど、デンソー健康保険組合も調査をした。デンソーって大きな会社ですから、いろんな事業所があります。歯科健診を社員の健診でやっている場合もあれば、やっていないところもあるんです。下の左側のグラフは健診をやっているところなんです。そして、右側がやっていない事業所なんです。何が違うかというと、下に書いてあるように、歯科健診実施事業所の方が任意でやっている事業所よりも伸び率が大幅に、何の伸び率かというと、医療費の伸び率です。顕著なんですね。歯科健診をやると医療費が少なくなるんですよ。

 しかも、歯の健康と医療費に関する調査、これは香川県でやっております。三宅先生の香川県、香川県でやっておりますけれども、磯崎先生もいらっしゃいます。その香川県の結果を見ると、歯の残っている本数が多いほど医科の医療費が安くなると。歯がきちっと残っている方が安い。これね、私はもう歯がないからって諦めないで、義歯であっても調整をちゃんとして食べるようにすれば、健康寿命は延びるんですね。なので、こういった結果を見ると、私は、これから百年時代に向けて、やはり歯科健診を国民全員が年一回でもやっていけば、随分、健康長寿の国ができるんじゃないかということを考えております。

 そこで、総理も頑張っていただいて、骨太方針二〇一七から三年続けて、初めて歯科の重要性が明記されました。その中には、生涯を通じた歯科健診の充実という言葉も入りました。生涯を通じた歯科健診だから。今高校生で終わっているわけだ。生涯を通じて歯科健診をしていきましょうということが盛り込まれました。

 この生涯を通じた歯科健診の充実というものを今後どのように実現していくのか、御所見を伺います。

○副大臣(稲津君)

 お答えさせていただきます。

 生涯を通した歯科健診の充実という御質問でございますけれども、歯、そして口腔の健康の保持増進を図ることは健康で質の高い生活を営む上で重要な役割を果たしていると、このように認識しております。

 歯科疾患の予防や早期発見、早期治療を進めるために、各年代に必要な歯科健診や歯科保健指導を実施しているところでございますが、この生涯を通した歯科健診の充実を図るため、平成三十年度から歯科健康診査推進事業におきまして効果的、効率的な歯科受診の実施方法等の検討を行っておりまして、令和二年度予算にも計上しているところでございます。

 引き続き、これらの取組を通じて、生涯にわたって切れ目のない歯科健診が市町村等において普及、定着できるよう、歯科口腔保健の更なる推進に取り組んでまいりたいと考えております。

○山田(宏)委員

 今、稲津厚生副大臣の方から、生涯を通じて切れ目のない歯科健診の充実に向けて努力をしたいというお話でしたね。

 今、会社勤めすると、事業所で健康診断が行われる。この健康診断はどういう項目で行われているかというと、基本的には労働安全衛生法という法律で各労働者が受けるべき健康診断項目が書いてある。それは昭和四十七年にできた法律ですから、まだこの頃は歯科健診というのはそれほど、特別な事業、塩酸とか硝酸とかそういうのを扱っている事業所は歯を傷める可能性があるから健診してくださいよという程度で終わっている。

 これを、もう今、口の中をきれいにして健診をすればするほど医療費が下がっていく、健康になっていくということなんだから、やっぱり生涯を通じて切れ目なく健診をしていくためには、この労働安全法の中の一般健診項目の中に今入っていない歯科健診を入れるべきじゃないですか。これはどうでしょう。

○副大臣(稲津君)

 お答えさせていただきます。

 ただいま御質問のありました労働安全衛生法上に基づく一般定期健康診断の中にこの歯科健診を、項目を追加すべきだという御主張、御質問でございますが、これはもう既に委員も御存じだと思いますけれども、労働者のうち、塩酸、硝酸を取り扱う業務等、歯科の疾患を発症させる有害業務を行う労働者について、労働安全衛生法上でこの事業者の負担による定期的な歯科健康診断を義務付けているところでございます。

 一方で、この歯科の疾患を発症させる有害業務が行われていない労働者に対しては、業務と歯科疾患の関連性が明らかになっていないことなどから、事業者の負担による歯科健診を制度化することは現在のところ難しいと、このように考えております。

 その上で、業務と歯科疾患の関連についての知見を収集するために、現在も調査研究、これを実施をしているところでございまして、厚生労働省として、この調査研究の成果を踏まえつつ、その上で様々な検証を行った上で検討してまいりたいと、このように考えております。

○山田(宏)委員

 もう一度確認しますよ。今の研究をきちっとして、その単に仕事と歯の関係じゃなくて、今申し上げたように、健診をすれば、デンソーのように健診をすれば医療費が下がる、健康になるという、そういう事案も含めて、含めて、この歯科健診を一般、労働者の一般健診項目に入れることを今後検討していくと、こう取っていいですか。

○副大臣(稲津君)

 お答えさせていただきます。

 今、調査研究を重ねていくという答弁をさせていただきました。既にこの労働衛生における歯科研究について、例えば業務と歯科疾患並びに職場の歯科保健サービスの効果把握に関する研究ですとか、あるいは口腔保健と作業関連の疾患に関する調査研究、これを今積み重ねているところでございまして、そうしたことを踏まえた上でこの検討を進めていきたいと、このようなことでございます。

○山田(宏)委員

 総理、この感じでお話ししているんですけれども、総理、どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 まさにこれ、山田先生がおっしゃったように、このお口の中の健康というのは全身の健康にもこれはつながる、これは間違いないんだろうと思います。これは、ですから、子供から高齢者まで健康で充実した生活を送るためにも口腔の健康というのは極めて重要であると考えています。

 政府としては、これまでも八〇二〇運動や歯科疾患の予防、そして歯科保健指導の実施など、健診と一体となった歯科口腔保健の推進に取り組んでおります。

 例えば、過去一年間に歯科健診を受診した者の割合は年々増加をしているところでありますが、引き続き、生涯を通じた切れ目のない歯科口腔保健施策の実現を図るため、歯科健診の機会の拡大や受診率の向上に、等に取り組んでまいります。

○山田(宏)委員

 総理がそういう御答弁をいただいたんで、私の目標は、今高校まで義務化はされているんです、歯科健診。それ以後は任意なんです。

 会社でもやっていないところもあるんです。会社に入っていないで自治体で歯周病の歯周疾患検診も四十、五十、六十、七十と、こう行われているわけ。これも間隔が四十、五十、十年に一回だ。本当は毎年なんだけどね、なかなかそこまで行かない。やっぱりこれ、二〇二五年以降、後期高齢者に団塊の世代の方々がすっぽり入ってこられると、こういったときになってくるに向けて、もうのんびり調査研究を、毎年毎年、何質問しても研究、研究、研究と言うんじゃなくて、もう期限を定めて、やっぱりこういったものについて、生涯、国民、全国民が一回は歯科健診を受けられるような、全国民皆歯科健診制度を実現に向けて是非それを目標に努力をしていきたいと、検討していただきたいと考えておりますけど、総理の御所見を伺います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 経済財政運営と改革の基本方針二〇一九にも、国民への適切な情報提供、そして生涯を通じた歯科健診ということも書いている、書き込んで、まあこれ、山田委員始め皆様の強い御主張も踏まえ、我々もそれが妥当と考え書き込んでいるところでございますが、今、山田委員がおっしゃったことは十分に踏まえながら、先ほど稲津政務官からもお答えをさせていただいて、副大臣、副大臣からもですね、稲津副大臣からもお答えをさせていただいているところでございますが、やはりこの全身の健康にも極めて関わりの強いものでございますから、よく検討していきたいと、こう考えております。

○山田(宏)委員

 よく検討していきたいということなので、また今後お聞きをしていきたいと思いますが。

 今般の予算の中に、災害用歯科ユニットを各都道府県に二セットずつ整備をしていただくという予算が総理のリーダーシップでこれ組み込まれました。これを組み込んだ総理の思いを伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 災害時は避難所での生活等の環境の変化により口腔衛生環境が悪化をし、そして疾病リスクの上昇や栄養状態の低下などが見られるわけでございますが、歯科治療を含めた口腔の管理を行うことが重要であると認識をしております。

 このため、令和二年度予算案では、避難所等でも口腔ケアや歯科医療が提供できるように、持ち運びが可能な歯科用ユニット、歯科診療用器材や、これはポータブルレントゲン等の器材を全都道府県に整備する経費を計上しているところでございます。これは、避難をされておられる方々の要望ももちろん強いわけでございますし、また、ああいう状況の、厳しい状況になったときこそ健康を、全身の健康を維持する上においても、お口の中の状況をしっかりと診ていく、この健康を維持していくことが重要という判断をし、今回こうした対応をしたところでございます。

 引き続き、災害時においても適切な歯科保健医療を提供できるように努めてまいりたいと思います。

○山田(宏)委員

 これはいい判断だったと思うんです。

 昨年、もうすごい災害が多うございました。長期的な避難所生活を強いられる方々もたくさんいらっしゃいました。その中で、特に高齢者の方が、口の中のケアができなくなって、その上、そうするとだんだん食べられなくなってくる、そうすると体が衰弱していく、又は誤嚥性肺炎の原因になるということで、災害関連死の大きな部分をこの口腔管理、口腔ケアがちゃんとできなかった、避難所で、というようなことがあったということが数々の震災等の後の調査報告でも明らかになっています。

 是非こういった分野は、災害の多い我が国ですから、やっぱり口の中というものをきちっと健康に保てるようにしていただくということでは大変よかったんだと、御礼を申し上げたいと思います。

 それで、最後になりました。最後は少子化対策についてお伺いをします。衛藤大臣、お待たせしました。あっ、ちょっと待って、その前にですね、ちょっと後でまた考えますけれども、ごめんなさい。

 衛藤大臣、まずですね、昨年の出生数は八十六万人と、九十万人を切った。これ、子供の数の減少のスピードは二年速いんです、二年。もうどんどん減っていると、将来一体どうなっていくのかというと、人口問題研究所の報告によると、五十年後には八千八百万人、そして百年後には五千万人ぐらいになるんだと、こういうことになる。大体、行政の予測ってなかなか当たらないんです。

 だけど人口予測だけは妙に当たるんです。これは面白い、やっぱりはっきりしているんですね、予見が。

 すると、こうなっちゃうということで、どこかでこれ、このまま行くと、社会保障もそれから地方も疲弊をしてくる、社会保障もおかしくなってくる、また経済も、今まで課が三つも四つもあったものが一つになっちゃって、会社も倒産する。

 こういうような状況になってきますから、どうやってこの少子化のスピードを緩めていくかということが大事で、これまでも、政府としても、子育て対策、保育所とか保育サービスとか、また幼小、幼保の無償化とか又は様々なことを、育児休暇、休業手当とかですね、そういったものをいろいろ組み合わせてやってこられました。相当お金も掛けてきた。しかしですね、なかなか希望出生率一・八には届きません。

 私も、杉並区の当時の合計特殊出生率が〇・七三、本当低いんです、もう全国で何番目にといったら三番目くらい低い。そういうような状況で、何とかこの出生率回復しなきゃというんで、本当にいろんな子育てサービスやったんです。それは、ゼロ歳から二歳までの子供たちには杉並区が独自でクーポン券を六万円配って、それで何でも子育てサービスに使えますよとやったり、三歳から六歳までの子供には三万円のクーポン券を渡して、それで何でも使えますよと。それでも増えない。そのとき思ったんです。子育てサービスの充実だけでは出生率の回復にはつながらない。もう少しやっぱりインパクトのある、子供を産もうという気になってもらえるような政策が要るなと思って全国を調べた。全国のいろんな自治体、小さな自治体も含めて調べて、出生率を比較的回復するのに成功しているところがある。

 例えば、福島県矢祭町、矢祭町ね。そこで矢祭町すこやか赤ちゃん誕生祝金、祝い金です、誕生したら祝い金。第一子十万円、第二子十万円、第三子五十万円、第四子百万円、第五子以上百五十万円。どうなったか。最初はこんな、最初は何かどうなのかなと思ったんですけれども、矢祭町、福島県の全体の出生率が平成十五年から二十年、五年間で一・五二から一・四八に下がっているのに、矢祭町は一・六七から一・六九に上がっている、みんな下がっているのに上がっている。

 それは、私も、産む側になると、私が産む、家族を持った側に行くと、ああ、そういうお祝い金出してくれるんだと思うと、やっぱり将来への教育とか、また家族でのいろんな夢とか、そういうのが描きやすい。やっぱり、そういった意味では私は、こういう祝い金制度というのはいいんじゃないかと思い始めた。

 そこで、衛藤大臣は、この子供、第一子、第二子、第三子に応じていわゆる児童手当を変えていくという、第一子は一万円、第二子は三万円、第三子以上は六万円だったかな、そういうような提案をされていると、提唱されているということですが、私は、それは非常に少子化対策という意味ではいいんじゃないかと、こう思っているんですけれども、その内容、簡潔に教えていただけたらと思います。

○国務大臣(衛藤一君)

 一月に、第一子一万円、それから第二子三万、一月ですね、それから第三子以降六万円というのは、これは私が大臣就任前にいろんな中で企画していたところでございます。ですから、いわゆる先生の案も恐らく児童手当の第二子以降の多子加算をうんとするということだと思いますね。だから、そういうものも有効だと思います。

 これに関しては、今私が申し上げたものに関しては、これは大臣になってまとめたものではありませんので、しかし、いろんな形で本気でこの少子化対策について考えていかなきゃいけないという具合に思っております。

○山田(宏)委員

 最後に、私の方からも提案を申し上げたいと思います。

 この出産祝い金というのはなかなか分かりやすくてインパクトあると、こう思っておりまして、衛藤大臣の提案は、児童手当を出生順位で増額する案です。これだと大体四兆二千億ぐらい掛かるんですね。それぐらい掛かる。後で訂正してください。私は、第一子百万円、第二子二百万円、第三子三百万円の出産祝い、第三子以上は三百万円、現金で渡す。これは非常にインパクトあると思う。

 国の姿勢もはっきりしている。これをやると、ぐっと変わってきますよ、気持ちが。これをやったら、みんな、ああ、国はそこまでお祝いしてくれるんだという気になってくる。もちろん、そのお金の使い方は、パチンコ行っちゃうんじゃないかとか、何か言われる人はいるかもしれませんよ。でも、全体的には家族ですから、どう使っていくかはやっぱり考えていく。

 こういう、私は、百、二百、三百、一、二、三、出産祝い金一、二、三というようなことも考えていただきたいなと。その場合は、私の試算だと、見ていただくように、一兆五千億、年間。まあ、これずっとやるのは難しいから十五年やる、十五年。雰囲気が変わるまでやる。これ財源どうするのかというと、これは国債でいいんです。子供国債でいい。なぜかというと、子供というのは成長して、後に税金を払ってくれる。そういうことをやっぱり考えて、私はこれは一つの投資だと思う。

 だから、そういった形で、とにかくこのままほっといたらじり貧になる、人口研究所と同じように。だから、それぐらいのインパクトあって、分かりやすくて、希望の持てる政策を、衛藤大臣もああいうことをおっしゃっておられるんだから、しっかり検討していただきたいんですが、最後に衛藤大臣と総理の御所見も伺います。

○国務大臣(衛藤一君)

 手当について、私は本当は申し上げる立場にございませんが、試算では四兆掛かりませんので、今、子ども手当は全員に月に一万あるいは一万五千円を出していますので、上乗せ分だけで、から計算して、所得制限入れますと、ちょうど先生が出している一兆五千億ぐらいで足るというのが私個人の試算でございます、これは省による試算ではございませんのでですね。

 それから、そういう形で、先生言われるように、いろんな調査をしてみますと、やっぱり多子化に向けた支援というのは確かに大きな効果があるということだけはいろんな調査をしてみた中で分かっておりますので、うんと検討しなければいけないことだという具合に自覚いたしております。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

 山田委員からは具体的な御提案をいただいたと、こう思っております。

 まさに、子供たちへの投資でございますから、その投資をどう、その子供たちへの投資に対して国債を発行する、これをどう考えるかということについてはいろんな御議論があるんだろうと、こう思いますが、将来世代の負担増を招くことのないように必要な安定財源を確保しながら、総合的な少子化対策を推進することで希望出生率一・八の実現を目指していきたいと思います。

 その具体的な、その具体化のため、春頃を目途に策定を予定している新たな少子化社会対策大綱において目標実現に向けた道筋を示してまいりたいと思います。

○山田(宏)委員

 産みたいという人が産んでいける、こういう社会をつくっていくと……(発言する者あり)まだ残っている。

○委員長(金子原二郎君)

 終わらせてよ。

○山田(宏)委員

 そういう社会をつくっていくためには不妊治療等の支援も必要だと。また、これまでどおりきちっと子育てサービスの充実も図っていかなきゃいけない、こういうことも並行して行いながら、やはり分かりやすく、インパクトを持てる、そして将来に希望の持てるような、やっぱりそういうものがやっぱりちょっと足らないと、私はそう思っております。是非、その点を今後検討していただきたいと。

 最後に、河野防衛大臣にちょっと……(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君)

 終わり。

○山田(宏)委員

 今日、質問があったので申し訳なかったけれども、よろしくまたお願いしたいと思います。ありがとうございました。

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